悪性胸膜中皮腫で急変することはありますか?
悪性胸膜中皮腫では、急変が起こる可能性があります。
悪性胸膜中皮腫は、通常、徐々に進行する病気ですが、まれに急変することがあります。
特に、腫瘍が局所的に進展して重要な臓器や構造物に侵入する場合に、急性の症状が発生することがあります。
例えば、腫瘍が心膜に浸潤すると心タンポナーデや不整脈が生じる可能性があり、生命を脅かします。
また、上大静脈が圧迫されることで顔面や上肢のむくみ、頭部のうっ血感を伴う「上大静脈症候群」が発生することがあります。
さらに、腫瘍が横隔膜を超えて腹部に進展した場合、小腸閉塞や腹水が生じ、急性腹症を引き起こすこともあります。
呼吸困難が急激に悪化する場合もあり、これは大量の胸水の貯留や、腫瘍による気道の圧迫が原因となることが多いです。
これらの急変時には迅速な対応が必要であり、胸水ドレナージや緊急手術、または緩和的な支持療法が行われます。
患者さんにおいては、急変のリスクを理解し、適切な緩和ケアとともに、迅速な救急対応が可能な体制を整えておくことが重要です。
京都大学医学部附属病院 呼吸器内科
山形 昂 監修
(参考文献)
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