「鞍鼻」とはどのような病気ですか？

【鞍鼻の概要】

鞍鼻とは、鼻の根元から鼻先にかけての鼻筋がへこんだり、低くなったりする鼻の変形のことです。 この変形は、顔の骨折などの外傷が原因で起こる「外傷性鞍鼻」や、口唇裂（くちびるの割れ）の手術後に残る変形、あるいは以前の鼻の形成術後の高度な変形などによって生じることが多いです。

【治療と自家組織の必要性】

鞍鼻の治療は、鼻を高くして形を整える隆鼻術が主に行われます。

軽度の隆鼻術

シリコンインプラント（人工物）が使われることもあります。

中程度から高度の変形

変形がひどい場合や、外鼻の傷跡（瘢痕）が強い場合、過去にインプラントが感染・露出した例では、人工物ではなく自家組織（自分の軟骨や骨）を使った移植が必要です。

使用される自家組織

肋軟骨、腸骨（骨盤の骨）、頭蓋骨などが代表的です。肋軟骨は加工しやすく吸収されにくい利点があり、骨組織は明確な鼻筋を作るのに有用とされています。

【注意】

鞍鼻の治療が保険診療となるかどうかは、外傷や病気に伴う呼吸障害など、医学的に機能回復が必要と判断されるか、主に見た目の改善を目的とするかによって決まります。最終的な判断は医師や医療機関が個々の症例に応じて行うため、まずは専門医に直接ご相談ください。