肺動脈性肺高血圧症で肺に血がたまって死亡することはありますか?
肺動脈性肺高血圧症で肺に血液がたまることは一般的ではありませんが、まれに喀血をきたすことはあります。
肺動脈性肺高血圧症(PAH)の合併症として「肺に血液がたまる」という病状は一般的ではありませんが、頻度は少ないながら喀血(肺や気管・気管支の血管から出血すること)をきたすことがあります。
喀血の場合、肺に血液がたまるというよりは、血液を体の外に出そうとする反射が起こり、咳とともに血液を吐くことが多いです。
出血量が多いと、固まった血液が気管に詰まったり(窒息)、出た血液を呼吸によって肺に吸い込んだりすることで、呼吸ができなくなり死亡するリスクがあります。
また、進行したPAHでは心臓から肺に血液を送る血管(肺動脈)に長期間高い圧力がかかるために、肺動脈が拡張し「肺動脈瘤」というこぶができることがあります。これが破裂しても喀血し、突然死を起こす可能性があります。
なお、PAHに伴う心不全の悪化などによって「肺水腫(肺に水がたまること)」を起こすことがありますが、これは血液自体ではなく血液の液体成分が毛細血管から肺の中に滲み出した状態を指します。肺水腫も死亡につながるリスクがあります。
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最終更新日:
京都大学医学部付属病院呼吸器内科 呼吸器内科
山城 春華 監修
(参考文献)
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肺動脈性肺高血圧症(PAH)とはどのような病気ですか?
心臓から肺に血液を送る血管である肺動脈の圧力(血圧)が、何らかの原因で異常に上昇する病気です。
肺動脈性肺高血圧症になる原因には何がありますか?
心臓の疾患、遺伝、薬、膠原病などの疾患が関連する場合や、原因が不明(特発性)の場合もあります。
肺動脈性高血圧症はよくある病気ですか?
非常に稀な疾患で、有病率は100万人に1〜2人から15人程度とされています。
肺動脈性肺高血圧症を放置するとどうなりますか?
病気の進行に伴って息苦しさ等の症状が悪化し、最終的には命に関わります。
肺動脈性肺高血圧症ではどのような症状が見られますか?
身体を動かした時などの息苦しさや疲れやすさが主な症状です。失神、血痰、咳、声のかすれ等の症状が出ることもあります。
肺動脈性肺高血圧症の初期症状には何がありますか?
体を動かした時の息切れの他、疲れやすさ、胸痛、失神、動悸、咳、血痰・喀血(血を吐く)などの症状が出現することがあります。
肺動脈性肺高血圧症と症状が似ている他の病気はありますか?
似たような息切れを生じる疾患としては、心不全などの心疾患、喘息やCOPD等の肺疾患があります。
肺動脈性肺高血圧症が疑われる場合、医療機関を受診する目安はありますか?
息苦しさや疲れやすさがひどくなっているなど、気になる症状があれば医療機関を受診しましょう。
肺動脈性肺高血圧症では何科を受診すればよいですか?
循環器科や呼吸器内科を受診してください。かかりつけのクリニック等があれば、そちらで相談してみましょう。
どのような検査を行って肺動脈性肺高血圧症の診断をしますか?
血液検査、レントゲン、心電図、超音波検査、肺の機能を評価する検査、カテーテル検査など、多くの検査を行う必要があります。
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