子宮頸部高度異形成は自然治癒しますか?
子宮頸部高度異形成(CIN3)は自然治癒する可能性が低く、治療が必要とされています。
子宮頸部異形成とは、主に高リスク型HPV(ヒトパピローマウイルス)の持続感染によって、子宮の入り口である子宮頸部の細胞に異常な変化が生じる状態です。軽度異形成(CIN1)や一部の中等度異形成(CIN2)は自然に退縮することが多い一方、高度異形成(主にCIN3)は自然に退縮する可能性があるものの、その割合は低く、研究の集計では約30%程度と推定されています。
適切な治療を受けた場合、長期的な浸潤がんの発生リスクは大幅に低下します。一方、歴史的な無治療・不十分治療例の長期追跡では、高度異形成(CIN3)の女性のうち、30年間で約31%が浸潤がんに進展したと報告されています。
このため、高度異形成は子宮頸がんの前がん病変として扱われ、通常は積極的な治療の対象となります。なお、高度異形成は現在では診断後に治療されることが一般的であり、無治療のまま長期間自然経過を観察することはまれです。そのため、高度異形成の自然退縮率や、浸潤がんへ進展するまでの期間についての詳細なデータは限られています。上述の数値は、個々の患者さんにそのまま当てはめられるものではなく、あくまで過去の研究から得られた参考値として解釈する必要があります。
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(参考文献)
日本婦人科腫瘍学会 編『子宮頸癌治療ガイドライン 2022年版(第4版)』金原出版, 2022年
国立がん研究センター がん情報サービス『子宮頸がん』https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/print.html.(参照 2026-09-01).
McCredie MRE, Sharples KJ, Paul C, et al. Natural history of cervical neoplasia and risk of invasive cancer in women with cervical intraepithelial neoplasia 3: a retrospective cohort study. Lancet Oncol. 2008;9(5):425-34.
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松本レディースIVFクリニック/成育医療研究センター 産婦人科 共同研究員
藤井 達也 監修
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