寛解導入療法の治療スケジュールについて教えてください。
Ph染色体の有無、年齢で異なりますが、多剤併用化学療法を5週間程度行い、髄腔内治療も含みます。
多剤併用化学療法が中心で、フィラデルフィア(Ph)染色体の有無、年齢により治療が変わります。
ここでは非高齢者の治療スケジュールを紹介します。
<Ph陽性急性リンパ性白血病(ALL)>
(JALSG Ph+ALL213)
寛解導入①、 ②の流れで治療を行います。
寛解導入①
- ダサチニブ(内服):1~28日目
- プレドニゾロン(内服):1~14日目後に漸減
- メトトレキサート+デキサメタゾン(髄注):15日目
寛解導入②
- シクロフォスファミド(静注):1日目
- ダウノルビシン(静注):1~3日目
- ビンクリスチン(静注):1、 8、 15、 22日目
- プレドニゾロン(内服):1~21日目後に漸減
- ダサチニブ(内服):4~31日目
- メトトレキサート+デキサメタゾン(髄注):1日目
<Ph陰性ALL>
(JALSG ALL202-U(思春期・若年成人-Ph陰性ALL))
思春期および若年者(おおむね40歳まで)では、小児ALLプロトコールに準じた治療に髄腔内化学療法を行います。40~64歳に成人型化学療法を行う場合は、大量メトトレキサート(MTX)が組み込まれている化学療法が推奨されます。
寛解導入(1~5週)
- メトトレキサート(髄注):1日目
- プレドニゾロン(内服):1~7日目
- デカドロン(静注):8~14日目
- ビンクリスチン(静注):8、 15、 22、 29日目
- テラルビシン(静注):8、 9日目
- シクロフォスファミド(静注):10日目
- L-アスパラギナーゼ(静注):15、 17、 19、 21、 23、 25、 27、 29日目
- プレドニゾロン(内服):15~28日目
- メトトレキサート+シタラビン+ハイドロコルチゾン(髄注):8、 22日目
公開日:
最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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「急性リンパ性白血病」の原因やなりやすい人の特徴には、何がありますか?
小児では急性リンパ性白血病になりやすい複数の遺伝的症候群が特定されていますが、成人における病因はほとんど不明です。
急性リンパ性白血病が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?
血液内科の受診が望ましいですが、近隣に血液内科のクリニックがない場合は内科受診でもよいでしょう。
急性リンパ性白血病のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
急性リンパ性白血病の治療方法として、ステージごとにそれぞれどのようなものがありますか?
多剤併用化学療法が中心で、フィラデルフィア(Ph)染色体の有無により治療が大きく分かれます。
急性リンパ性白血病のステージ別の余命は、適切に治療した場合、それぞれどのくらいですか?
ステージ別の余命の推定はなく、年齢や染色体異常の有無が余命に影響する重要な因子です。
急性リンパ性白血病は小児のうちであれば完治しますか?
完治を「5年間白血病のない状態」と定義しますと、多くの小児の急性リンパ性白血病は完治すると言えます。
急性リンパ性白血病にはどのような症状がありますか?
正常な血液の産生低下による貧血などの全身症状と、白血病細胞によるリンパ節腫脹などの局所症状があります。
1週間経っても子供の熱が下がらないのですが急性リンパ性白血病などの白血病の可能性はありますか?
白血病の症状には発熱がありますが、1週間の発熱のみでは白血病か判断できません。
急性リンパ性白血病はどのような検査を行いますか?
急性リンパ性白血病では、血液検査に加え、多くの場合、骨髄検査(骨髄穿刺・骨髄生検)が行われます。
急性リンパ性白血病の場合、血液検査の数値にどのような変化が出ますか?血液検査だけでわかるのでしょうか?
赤血球、白血球、血小板が減少しますが、血液検査だけでは判断できないため骨髄検査等を行います。
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