急性リンパ性白血病
「急性リンパ性白血病」とは、白血病細胞が増殖し、骨髄での正常な血液の産生が抑制される病気です。貧血による全身倦怠感やめまい、白血球減少による感染症、血小板減少による出血傾向、発熱、リンパ節や肝臓・脾臓の腫大、頭痛や骨の痛みなどの症状がみられます。これらの症状が現れた場合は、まず内科を受診し、必要に応じて血液内科を紹介してもらいましょう。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
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小児では急性リンパ性白血病になりやすい複数の遺伝的症候群が特定されていますが、成人における病因はほとんど不明です。
ステージ別の余命の推定はなく、年齢や染色体異常の有無が余命に影響する重要な因子です。
白血球が減少している間に感染症になると、命に関わる危険な状態になることもあります。
小児の急性リンパ性白血病では80%以上が長期生存しますが、成人での予後は不良とされています。
小児の急性リンパ性白血病では約20%、成人では約50%の再発率とされています。
再発した時期や再発部位などにより予後は異なり、3~4年の生存率は30~70%との報告があります。
急性リンパ芽球性白血病と急性リンパ性白血病は同じもので、リンパ球になる前の細胞ががん化する病気です。
急性リンパ性白血球で使われるお薬の副作用で、脱毛が起こることがあります。
疲労感や血が止まりにくくなる、感染症にかかりやすなったり治りにくくなる等の症状があります。
行われる治療方法によって治療費は異なりますので、医療機関にご確認ください。
治療や年齢等により異なるため一概には言えませんが、小児では成長障害等が起こることもあります。
検査で白血病細胞が見えなくなっても、体内に白血病細胞が残っていることがあるためです。
若年成人の急性リンパ性白血病の方の生存率は、最近導入された治療では約70%であったとされています。
40~50歳代の急性リンパ性白血病の生存率は不明ですが、50歳超では15~17%とされています、
治療しない高齢者の急性リンパ性白血病の余命は、長くとも1ヶ月程度と推測されます。
80代の急性リンパ性白血病に対する治療成績のデータが少なく、生存期間の平均は2年未満と推測されます。
急性リンパ性白血病を治療せず放置した場合、余命は診断後1ヶ月~数ヶ月と推測されます。
貧血や感染症、出血傾向を伴い、痛みにはオピオイド薬や麻酔薬が使われて緩和されます。
子供の急性リンパ性白血病の進行速度は大人より遅く、治療成績も良好です。
急死発生率は、45歳以上で20%以上、45歳未満では5~15%程度と報告されています。
貧血や感染症、出血傾向を伴い、痛みにはオピオイド薬や麻酔薬が使われて緩和されます。
受診について
症状について
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
正常な血液の産生低下による貧血などの全身症状と、白血病細胞によるリンパ節腫脹などの局所症状があります。
白血病の症状には発熱がありますが、1週間の発熱のみでは白血病か判断できません。
息切れ、発熱、あざや出血を生じやすい、疲労感などがあります。子供と大人で大きな違いはありません。
治療について
多剤併用化学療法が中心で、フィラデルフィア(Ph)染色体の有無により治療が大きく分かれます。
入院期間は治療の内容によって異なりますが、通常、約8~12ヶ月とされています。
急性リンパ性白血病に使われるお薬の一般的な副作用として、感染症や脱毛、口内炎、吐き気等があります。
Ph染色体の有無、年齢で異なりますが、多剤併用化学療法を5週間程度行い、髄腔内治療も含みます。
Ph染色体の有無、年齢により地固め療法は異なるため期間はさまざまですが、約1~8ヶ月程度と見込まれます。
子供向け
検査について
診断について
(参考文献)
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