急性リンパ性白血病のステージ別の余命は、適切に治療した場合、それぞれどのくらいですか?
ステージ別の余命の推定はなく、年齢や染色体異常の有無が余命に影響する重要な因子です。
年齢は余命に影響する重要な因子になっています。
小児の急性リンパ性白血病の完全寛解(CR)率は約90%以上、5年無病生存(EFS)率は約80%以上です。
成人の急性リンパ性白血病では、年齢が30~35歳以下の全生存(OS)率は34~57%ですが、50歳を越えると、OS率は15~17%と低下し、年齢が増えるにしたがって治療成績は悪くなります。
染色体所見も重要な予後因子で、Ph染色体の有無で以下のように治療成績が異なります。
Ph陰性(なし)
- 海外:CR率 約8割、5年OS率 約4割
- 国内:CR率 81%、5年OS率 39%
Ph陽性(あり)
- 海外:CR率 6~7割、5年OS率 1割強
- 国内:CR率 56%、5年OS率 15%
公開日:
最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
日本臨床腫瘍学会. 新臨床腫瘍学 第7版. 南江堂. 2024
J Takeuchi, et al. Leukemia. 2002, 16(7), 1259-1266.
I. Jinnai, et al. Int J Hematol. 2010, 92(3), 490-502.
薄井 紀子. Philadelphia染色体陽性急性リンパ芽球性白血病の新たな治療戦略. 臨床血液. 2006, 47, p.294-302.
土橋史明 .“急性リンパ芽球性白血病(ALL)”.今日の臨床サポート.https://clinicalsup.jp/jpoc/contentpage.aspx?diseaseid=326,(参照 2024-09-25).
日本血液学会.“造血器腫瘍ガイドライン2023年度版 第Ⅰ章 白血病”.日本血液学会.http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_3.html#soron,(参照 2024-09-25).
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