指しゃぶりの原因や考えられる病気には何がありますか?
指しゃぶりはほとんどが正常な発達行動ですが、まれに不安や発達障害が関与する場合があります。
指しゃぶりの主な原因は、安心感や自己調整であり、通常は発達の一部です。
指しゃぶりは乳幼児に自然に見られる習慣です。その原因や背景にはいくつかの要素がありますが、本能的・心理的要因によるものが最も一般的です。
もともと指しゃぶりは、原始反射(出生時から存在する自然な反射)のひとつである吸啜(きゅうてつ)反射に由来します。これは、赤ちゃんが口に入ってきたものに吸いついてすする反射であり、授乳に不可欠です。この延長として生じる指しゃぶりは、指を吸うことで落ち着いたり、眠る準備をする自己慰安の行動であり、発達の一部と考えられています。退屈や不安、環境変化への反応としても現れることがあるほか、乳歯が生える時期に、指をしゃぶることで歯茎の不快感を和らげることがあります。
ほとんどの指しゃぶりは健康な発達の範囲内ですが、まれに指しゃぶりが心理的ストレスや発達上の問題と関連する場合があります。例えば、不安が強い子どもや環境変化に敏感な子どもでは、指しゃぶりが頻繁に続くことがあります。また、自閉スペクトラム症など発達障害の一部で、口や手に特定の動作を繰り返すことが観察される場合もあります。
ストレスや不安への対処法や安心感を得るメカニズムが成熟するにつれて、自然に指しゃぶりの習慣が消失するのが一般的ですが、長期間続く場合は、歯並びへの影響や指先の皮膚炎などが懸念されます。無理にやめさせるよりも、安心感を与えつつ徐々に習慣を減らす工夫をし、必要に応じて医師や歯科医と連携し、介入を検討しましょう。


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宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
Borrie FR et al. Interventions for the cessation of non-nutritive sucking habits in children. Cochrane Database Syst Rev. 2015, 2015, CD008694.
Gao C et al. Association between Non-nutritive sucking habits and Anterior open bite: A systematic review and meta-analysis. BMC Oral Health. 2025, 25, 1124.
小児科と小児歯科の保健検討委員会.“指しゃぶりについての考え方”.日本小児歯科学会.https://www.guide.metro.tokyo.lg.jp/trouble/tsume/pdf/06_01.pdf,(参照 2025-10-02).
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