直腸がんの場合、主にどのような治療をしますか?

基本的には、遠隔転移がなければ根治を目指した手術、遠隔転移があれば生活の質の維持を目指した薬物療法が主体となります。

解説

病期(ステージ))に応じた治療を検討します。
直腸がんでは、腫瘍(腫れ物やしこり)の深さやリンパ節転移の程度に応じて内視鏡治療や手術、薬物治療、放射線治療を行います。
ただし、直腸がんでも肛門扁平上皮がんの場合は希少がんに分類され、治療戦略が異なります。
医学の発展とともに治療も年々複雑化しているため、治療方針の決定にあたっては治療開始前に医師とよく相談しておきましょう。

早期がん(ステージI、 II)

内視鏡治療

がんが腸の浅いところにとどまっている場合、内視鏡でがんの部分だけを切除します。

手術

がんがある程度深いところまで広がっている場合、がんの周囲を含めて腸を切除します。転移の程度に応じてリンパ節も切除します。

進行がん(ステージIII、 IV)

薬物治療・放射線治療

遠隔転移(がんが血流やリンパ流によって別の場所に移動して増えること)がある場合、手術でがんを取りきることが難しいため、薬物や放射線を使って治療します。
また、いくつかの場合に基本とは異なる治療が行われる事があります。

遠隔転移がなくても(=ステージI、 II)薬物療法が必要となる場合

  • がんの切除後、目に見えないがんを死滅させ再発を少なくする目的で、3~6ヶ月程度の薬物治療を実施
  • 肛門機能の温存目的に、手術前に放射線化学療法を実施

遠隔転移があっても(=ステージIII、 IV)手術を実施する場合

  • 直腸にあるがんで症状(大出血・高度貧血・腸穿孔・腸閉塞)が出ている場合は、症状を緩和する目的で手術を実施
  • 肝臓や肺にしか転移がなく、これらの転移が取り切れると外科医が判断する場合
  • 薬物治療によりがんが縮小し、手術が可能となる場合

公開日

最終更新日

亀田総合病院 腫瘍内科

瀬口 京介 監修

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(参考文献)

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