気管支拡張症と気管支喘息の違いを教えてください。

両者は異なる病気ですが、喘鳴などの症状や生理学的な特徴が似ているため、区別が難しい場合があります。

解説

気管支拡張症気管支喘息は、それぞれ異なる根本的な原因で起こる病気です。

気管支喘息は、主にアレルギー反応によって気道(空気の通り道)に「好酸球(こうさんきゅう)」という種類の白血球が多く集まって炎症(腫れや赤み)が起きるのが特徴です。これにより気道が過敏になり、狭くなったり、ゼーゼーやヒューヒューといった喘鳴が起きたりします。

気管支拡張症は、気道が広がり、そこに病原性の細菌が定着して、主に「好中球(こうちゅうきゅう)」という別の種類の白血球が多く集まる炎症が起きるのが特徴です。

これらの病気は炎症の種類が異なるものの、症状や体の機能面で似ている点が多く、区別がつきにくいことがあります。

例えば、気管支拡張症の患者さんの約34%に喘鳴が見られ、19%以上の人に気道が過敏になる症状が、60%以上の人に空気の通り道が狭くなる症状が見られます。また、両方の病気を同時に持っている人も少なくありません。

気管支拡張症の患者さんの7%〜46%に喘息が見られます。重症喘息の患者さんの25%〜68%に気管支拡張症が見られることがあります。

特に、アレルギー性の重症喘息では、「アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)」という、アレルギー反応によって気管支が広がるタイプの気管支拡張症を合併することが知られています。

このように、見た目の症状が似ていたり、両方の病気を合併したりすることがあるため、それぞれの病気に合った適切な診断と治療を行うためには、詳細な検査が必要になります。

公開日

最終更新日

京都大学医学部附属病院 呼吸器内科

山形 昂 監修

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