やけどで冷やしてないと痛いのはなぜですか？

やけどは、熱いものに触れることで皮膚や粘膜が傷つくことを言います。特に、皮膚の浅い部分である表皮（ひょうひ）の奥にある真皮（しんぴ）までやけどが達すると、「浅達性Ⅱ度熱傷（せんたつせい にど ねっしょう）」と呼ばれ、水ぶくれができ、ヒリヒリとした強い痛みを伴いますこれは、真皮には痛みを感じる神経（知覚神経受容体）が多数存在し、熱によってそれらの神経が刺激されるためです。

やけどの深さによって痛みの感じ方は異なり、例えば以下のようになります。

Ⅰ度熱傷（表皮のみの損傷）

日焼けのように赤くなり、痛みや知覚過敏があります。

深達性Ⅱ度熱傷（真皮の深い部分の損傷）

痛みは軽くなり、触っても感じにくくなります。

Ⅲ度熱傷（皮膚全体や皮下組織まで損傷）

痛みを感じる神経まで壊れてしまうため、かえって痛みがなくなるのが特徴です。

冷やすことで、熱による組織のダメージが広がるのを防ぎ、神経への刺激を和らげることで、痛みを軽減する効果が期待できます。