洞性頻脈を放置するとどうなりますか？

洞性頻脈（心臓の脈が速い状態）を放置した場合の結果は、その原因が何であるかによって大きく異なります。

1. 命に関わらない場合（経過観察で問題ない場合）

ストレス、緊張、カフェインの摂取、低血圧、あるいは一時的な発熱など、心臓自体に治療が必要な病気が伴っていない場合や、自覚症状がそれほど苦痛ではない場合は、原則として治療の必要はないため、放置しても問題はないことが多いです。ただし、強い動悸症状が続き、それが気になって生活に支障が出る場合は、生活の質（QOL）が低下するため、薬や生活習慣の改善で対応することが推奨されます。

2. 重大な病気が隠れている場合（放置してはいけない場合）

洞性頻脈は、体内の別の病気が原因で心臓が加速しているサインである可能性があり、これを放置すると、隠れた病気の発見が遅れるリスクがあります。
精密検査や治療が必要な「原因疾患」が潜んでいることがあります。原因となることがある病気としては、心不全、狭心症、心筋梗塞、弁膜症などの心臓の病気や、甲状腺などのホルモンの異常、貧血などがあります。これらの原因疾患を放置すれば、病気が進行し、病状が悪化してしまう可能性があります。

したがって、動悸などの症状を自覚した場合は、自己判断で放置せず、一度循環器内科を受診して、精密検査を受けることが最も重要です。