CA15-3とはなんですか?
CA15-3は、主に乳がん(特に再発・転移)の腫瘍マーカーです。
CA15-3は、ムチン-1というタンパク質の一部分のことで、主に乳がん(特に進行・再発)の腫瘍マーカーとして用いられます。
ムチン-1は正常の乳腺組織にも存在しますが、がん化すると細胞の中や表面で量が増えることが知られています。その構造の一部であるCA15-3は、乳がんの腫瘍マーカーを見出すために開発された2つの抗体(乳汁の中にある脂肪球の表面成分を認識する抗体と、乳がんの肝臓転移の成分を認識する抗体)を組み合わせることで検出されます。
早期の乳がんにおいては、血中のCA15-3の値は健康な女性や乳腺の良性の病気のある女性と同じ程度のことも多いですが、治療後の再発での陽性率は44~67%におよびます。よって、特に手術などの治療後に再発しないかをモニタリングするためや、治療効果をモニタリングするために使用されるのが一般的です。
ただし、CA15-3は、あくまで診断の補助として用いられるもので、診断の確定や治療の必要性などについてはその他の検査結果を併せて医師が総合的に判断します。
また、乳腺以外の臓器のがん(卵巣、膵臓、肺など)や一部の良性の病気(肝炎や肝硬変、サルコイドーシスなど)でも高値となることがあります。
なお、CA15-3の基準値は30U/mL前後に設定されていることが多いですが施設によって異なります。詳細は検査を受けた施設や医療機関にお問い合わせください。
公開日:
最終更新日:
東日本橋内科クリニック 循環器内科 院長
白石 達也 監修
(参考文献)
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