成長ホルモン分泌不全と下垂体腺腫手術後の体調不良について相談させてください。
40代・女性のご相談
ご相談いただきありがとうございます。下垂体腺腫の手術を受けられた後、成長ホルモン(GH)の分泌が不十分と診断されているのですね。手術前からGHが低く、術後の検査でも低いままで、重症ではないため補充療法の対象外と言われたとのこと。また、微熱やだるさが5年も続いているとのことで、日常生活がとても大変だとお察しします。さらに、高血圧や脂質異常症、うつ病の治療もされているとのこと、心身ともに大きな負担を感じていらっしゃることでしょう。
「今後どうなるのか知りたい」という不安や、「重症にならなければGHの補充療法を受けられないのか」という疑問をお持ちなのですね。
成長ホルモンの補充療法は、特定の基準を満たした方に行われる治療です。保険適用には一定の重症度が必要ですが、これは治療の必要性を慎重に判断するためです。
ただし、基準を満たさない場合でも、GHが低い状態が続き、倦怠感や微熱、気力の低下が強く現れている場合は、他のホルモンの影響や併存する病気が原因かもしれません。ACTHや甲状腺ホルモンの補充療法が検討されているかどうかも重要です。これらのホルモンの不足も、強い倦怠感や体調不良の原因となることがあります。
体調不良が5年も続いているとのこと、日常生活に支障が出ている状況は、GH補充療法の基準を満たさなくても、放置しておくべきではありません。他のホルモン値も含めて、治療が必要かどうかを判断することが大切です。
【今後のアクションについて】
まずは、現在の主治医である内分泌内科の先生に、以下の点について詳しく相談されることをお勧めします。
- 現在の症状の辛さを具体的に伝える: 微熱やだるさが5年も続き、日常生活がどれほど苦痛か、具体的に伝えましょう。
- GH補充療法の対象基準について再確認する: 検査結果のどの数値に基づいて「重症ではない」と判断されたのか、説明を求めてみましょう。
- GH低値が現在の症状にどの程度影響しているか相談する: GH低値が現在の症状に影響している可能性について相談してみましょう。
- ACTHや甲状腺ホルモンの低下に対する治療の状況と効果について相談する: これらのホルモン補充療法が適切か、症状改善につながっているか確認しましょう。
- 他の原因の可能性について相談する: ホルモンバランス以外に、他の病気が原因かもしれないので、必要な検査を追加で行うべきか相談しましょう。
GH補充療法は基準を満たさないと保険適用外ですが、症状が重く他の治療で改善が見られない場合には、自費での治療という選択肢もあります。しかし、まずは保険適用内での最善の治療を尽くすことが一般的です。主治医の先生としっかりとコミュニケーションを取り、現在の辛い状況と今後の治療への希望を伝え、一緒に解決策を探していくことが大切です。
【まとめ】
下垂体腺腫術後のGH分泌不全があり、重症ではないためGH補充療法対象外と言われたとのことですが、微熱や倦怠感が続き、日常生活に支障が出ている状況は大変お辛いことと思います。現在の体調不良は、GH低値だけでなく、ACTHや甲状腺ホルモンの低下、あるいは併存疾患も関連している可能性があります。まずは主治医の先生に、症状の辛さやGH補充療法の基準、他のホルモン補充の状況、他の原因の可能性について詳しく相談し、今後の治療方針について話し合うことをお勧めします。あなたの健康が少しでも改善されることを心から願っています。
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