白内障
監修医師山口 知暁東北大学病院 眼科
- 更新日
- 2026/05/26
- 公開日
- 2020/09/03
「白内障」とは、目の中でピント調節レンズの役割をしている水晶体が白く濁ってしまう病気です。主に加齢が最大の原因ですが、他にも糖尿病、アトピー性皮膚炎、ステロイド薬の使用などが原因として考えられます。症状には視界全体がかすみ、視力低下があり、また、光をまぶしく感じることもあります。気になる症状がある場合は眼科を受診しましょう。
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カメラのレンズのように、ピントを合わせる役割を持つのが水晶体ですが、その内部が変性して濁る病気です。ほとんどが加齢に伴って起こりますが、先天的なものや外傷によっても起こります。眩しい、コントラストが落ちる、色調の変化などから始まり、進行すると視力が低下します。
白内障とはどのような病気ですか?
目の中でピント調節レンズの役割をしている「水晶体」が白く濁ってしまう病気です。
眼球内で焦点の調整を行っている「水晶体」の中の蛋白が変性して白く濁ってしまう病気です。水晶体の中を光がうまく通り抜けられなくなってしまうことで、霧視(むし:視界が霞んで見えること)や羞明(しゅうめい:以前より光が眩しいように感じること)が初期の症状として生じます。病気が進行するにつれ、視力の低下をきたします。
白内障の症状
白内障ではどのような症状が見られますか?
視界全体がかすみ、視力が低下します。また、光をまぶしく感じることもあります。
初期には、霧視(むし:視界がかすんで見えること)や羞明(しゅうめい:以前より光が眩しいように感じること)が主に出現してきます。病気が進行するにつれ、視力の低下をきたします。
白内障の初期症状としては、どのようなものが見られますか?
初期段階では自覚症状がなく、進行とともに自覚症状が出てきます。
最初期には自覚症状がないことも多いですが、病気の進行とともに霧視(むし:視界が霞んで見えること)や羞明(しゅうめい:以前より光が眩しいように感じること)を自覚するようになります。また、さらに病気が進むと、視力も低下していきます。
白内障と症状が似ている他の病気はありますか?
眼の表面の病気から眼の奥の病気まで、様々なものがあります。
多くの目の病気で同様の症状をきたすことがあり、症状だけから白内障かどうか判断することは極めて困難です。視力がどのくらいあるか、視界のコントラストがどれだけはっきりしているか、水晶体は混濁していないかなど、目を細かく診ることで初めて他の目の病気と判別できます。
白内障の原因
白内障にはどのような人がなりやすいですか? 原因はありますか?
加齢が最大の原因ですが、他にも糖尿病、アトピー性皮膚炎、ステロイド薬の使用などが原因として考えられます。
加齢が最も主な原因であり、年齢を重ねることでほぼ全員が白内障になります。
ただし、加齢以外にも多くの因子が関わっていると考えられており、以下のようなことが白内障の発症を早めたり発症率を高めたりするリスク要因であることが分かっています。
- 喫煙
- 紫外線
- 放射線
- バター、総脂肪、塩分の摂取量が多い
- ステロイドなどの薬物の使用
- アルコール
- 肥満
- 白内障の家族歴がある
白内障の検査・診断
白内障の症状をセルフチェックできますか?
白内障の症状や原因、おすすめの病院や対処方法は症状検索エンジン「ユビー」で調べられます。
体調に不安がある、あるいは医療機関への受診を考えている方向けに、20問〜30問程度の質問に答えることで関連する病名や適切な受診先や調べられる症状検索エンジン「ユビー」を無料で提供しており、多くの患者様にご利用いただいています。
気になる病気や症状がありましたら、ぜひご利用ください。
白内障は、どのような検査をして診断するのでしょうか?
視力やコントラストの感度を検査するチェックを行うほか、顕微鏡で水晶体の透明度を調べて診断します。
視力検査およびコントラスト感度検査で自覚症状のチェックを行います。また、細隙灯検査で、水晶体内の混濁の程度を確認します。
白内障の治療・対処法
白内障への対処法は?
白内障の進行を遅らせる可能性がある点眼液がありますが、進行は基本的に止められないので、進行したら手術で治療します。手術のリスクは非常に低くなっていますので、主治医と相談して、病状とリスクを照らし合わせて、治療方針を相談してください。
白内障の治療開始〜完治までの流れを教えてください。
人工レンズを眼球内に挿入する日帰りないし入院での手術を、局所麻酔を用いつつ行います。レンズが安定するまでには手術後2週間〜2ヶ月ほどかかります。
手術前
まずは患者さんに合った人工レンズを選ぶ検査を行います。具体的には、角膜の形状解析や、眼軸長(目の前後径)の計測を実施します。
手術
手術は基本的に局所麻酔で行いますが、強い痛みを感じることはなく、比較的短時間で終了します。手術を入院して行うか、日帰りで行うかについては、患者さんと手術を受ける医療機関との間で相談して決めていくことになります。
手術後
手術を行ってから1週間の間は、数回に分けて目の検査を行います。術後2週間は眼球への細菌などの感染に気をつける必要がありますが、約1ヶ月でレンズが安定します。
レンズが安定してからも、晩期の合併症の有無を確認するために、しばらくは定期検診を受ける必要があります。
白内障はどの程度になったら手術のタイミングなのでしょうか?
見え方に不自由を感じたときが手術の目安となることが多いです。視力に問題がなくてもまぶしさを強く感じるなど、生活に問題がある場合には手術を受けた方が良いでしょう。
白内障の手術を受けるタイミングは、以下の項目などを総合的に判断して考慮します。
- 視力
- 自覚的な見えやすさ
- 視野
- 白内障以外の目の病気
見えにくさを自覚した場合には、白内障の手術を受けるべきか、眼科医と相談してください。
白内障は自然に治りますか?
水晶体がいったん白く濁ると自然に治ることはありません。そのため、白内障を治療するためには手術が必要になります。
水晶体の濁りは年齢を重ねるにつれて強くなっていきます。そのため、白内障は自然に治ることはなく、手術を受けることが必要になります。
白内障手術は怖いですか? 失敗しますか?
近年の白内障手術では、失敗の危険性はほとんどありません。ただし、非常に可能性は低いですが、手術内合併症のリスクはあります。
手術は基本的に局所麻酔を用いて行いますので、手術中患者さんは意識があることになります。しかし、手術中は顕微鏡の照明が当たっているため、患者さんは何をされているかほとんど分かりません。決して怖い手術ではないので安心してください。
また、手術中合併症を発症する可能性もありますが、非常に可能性は低いです(ものによって発症率は0.1〜3.1%と幅があります)。
白内障の手術の費用はどれくらいですか?
人工レンズの種類にもよりますが、医療費1割負担の方で約25,000円、3割負担の方で約55,000円です。入院する場合は別途費用がかかります。
手術のみの費用は、保険診療の範囲であれば、1割負担の方で片眼あたり約15,000円、三割負担の方で約45,000円となります。ただしその上に、検査料や麻酔料が約10,000円加算されます。また、入院して手術を行う場合は、入院費用も上乗せされます(金額は部屋や食事内容によって変動します)。
なお、多焦点レンズなどのプレミアムレンズを使用する場合は選定医療となり、手術全般にかかる基本的な費用に加えて、使用するレンズの代金に応じた費用が発生します。
白内障は、主にどのような治療を行いますか?
目の中から濁った水晶体を取り除き、人工の水晶体を入れる手術を行います。
病気がある程度進行してしまっている場合、水晶体再建術(混濁した水晶体の内容物を取り除き、人工レンズを挿入する手術)を行います。
なお、点眼や内服を行う薬物治療も実用化されていますが、その効果を明確に判定できるエビデンスは得られていません。
受診の目安・何科を受診するべきか
白内障が疑われる場合、医療機関を受診する目安はありますか?
視界のかすみや視力の低下など、気になる症状がある時は受診してください。
白内障に限らず目の疾患がないか確認する必要があるので、目の症状がある場合には早めに眼科を受診しましょう。特に、以下のような場合はただちに受診してください。
- 急に目が見えなくなった
- 急に目が痛くなり、正常に見えなくなった
白内障は、何科を受診したらよいですか?
眼科を受診してください。
眼科以外の診療科では、眼についての検査ができることはほとんどありません。きちんと調べるために、眼科を受診するようにしましょう。
白内障を放置するとどうなりますか?
濁りが徐々に進行し、視力が低下していきます。また、急性緑内障などの合併症を起こして失明するリスクがあります。
徐々に水晶体の濁りが進行し、霧視(むし:視界がかすんで見えること)や羞明(しゅうめい:以前より光が眩しいように感じること)といった症状が進行します。
また、病気の進行につれて水晶体が膨らんで大きくなり、その結果として眼球の中を流れる「眼房水」の流れが妨げられることがあります。これによって緑内障の発作を起こし、最悪の場合失明することがあります。
白内障の専門医がいる近くの病院はありますか?
白内障の専門医がいる病院を見る白内障の予防
白内障を予防する方法はありますか?
白内障の原因である水晶体の濁りは、水晶体に含まれるタンパク質が酸化することで起こります。これを防ぐために紫外線対策や食生活を整えることなどが有効です。
白内障は加齢に伴って発症・進行していきますが、進行を早める因子には以下のようなものがあります。
これらを避けるため、帽子やサングラスによる目の紫外線予防や、禁煙、バランスのよい食事・節酒・適度な運動を意識した規則正しい生活を心がけることで、白内障を予防できる可能性があります。
食事では、特に野菜・カルシウム・葉酸・ビタミンEが不足しないようにすることと、塩分や脂肪分を摂りすぎないように気をつけるといいでしょう。
薬については自己判断で中止せず、必ず医師に相談するようにしてください。
対処法・セルフケア
白内障の治療中に、日常生活で気をつけることはありますか?
身体に負担がかかることは避けましょう。また、術後の数日間は、洗顔・洗髪を控えたほうがよい場合があります。
手術を行ってから数日間は、まぶたを強くつむるような行為は避けたほうがよいです。また、特に治療後の2〜4週間は、眼球への細菌などの感染に注意する必要があります。
状態が安定してからも、強く目をこすったり打ったりすることは避けましょう。
白内障に関連するその他の質問
白内障を発症しやすい年齢は大体何歳くらいですか?
早ければ50代から発症し、60代では70%、70代では90%、80歳以上の人ではほぼすべての人で白内障が見られます。
白内障は加齢に伴って増加することが知られています。
どこからを白内障と呼ぶべきかは難しいところですが、日本で水晶体(目のレンズ)に濁りがある人の割合は、50代で50%程度、60代で70%程度、70代で90%程度、80代以上ではほぼ100%と報告されています。
白内障の進行を遅らせる、または止める方法はありますか?
白内障の予防、進行抑制を目的とした点眼薬や内服薬があります。また、生活習慣を改善することで進行を遅らせることができる可能性があります。
効果がはっきりと証明されている訳ではありませんが、点眼薬や内服薬が白内障の進行を遅らせる薬として処方されることがあります。
また、紫外線の曝露(ばくろ:何らかの物質にさらされる・接触すること)や糖尿病など、白内障を進行させる原因を取り除くことで、白内障の進行を一定程度遅らせることができる可能性があります。
以下のQ&Aにも詳しく書いてあるためをぜひご参照ください。
白内障について、医師からのよくある質問
「白内障」について、医師からのよくある質問をまとめました。
- 色の濃淡や明暗が明確ではないものが見えにくいですか?
- 最近目が見えにくくなったと感じますか?
- 眼に光が当たっていないのに、光の点滅を感じたり、暗い部屋で突然稲妻のような光が見えたりしますか?
- 前と比べ現在、視界の一部が見えなくなったと感じますか?
- 暗いとほとんどものが見えず、また暗闇に目が慣れてもこない、ということはありますか?
白内障に関連する病気・症状
この記事の監修医師
山口 知暁 先生
東北大学病院 眼科
【経歴】 金沢桜丘高校卒業 金沢医科大学卒業 東北大学卒後研修センター 臨床研修 東北大学病院 眼科
- 更新日
- 2026/05/26
- 公開日
- 2020/09/03