撓骨神経麻痺
監修医師濱畑 智弘山田記念病院 整形外科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
橈骨神経麻痺とは
「橈骨神経麻痺」とはどのような病気ですか?
橈骨神経麻痺とは、橈骨神経(腕の付け根から指先まで走る神経)の損傷により手の筋力低下や痺れが起こる疾患です。
橈骨神経は手首や指を伸ばす作用を持つ神経です。橈骨神経が障害されると手首や指に力が入りにくくなる症状(運動障害)や、しびれたり感覚が鈍くなる症状(感覚障害)が生じます。
発生原因としては、主に以下のようなものがあります。
- 外傷性の損傷(骨折に伴う場合など)
- 長時間の圧迫
- 神経の通り道が狭くなる
- 手術の合併症

橈骨神経麻痺の症状
橈骨神経麻痺には初期症状はありますか?
手首や指を動かしにくくなります。
よくある初期症状として、骨折などの外傷後に手首や指が動きにくくなったり、寝ている間に長時間圧迫を受けて、起きた後に動かなくなったりすることがあります。
手首や指の動かしにくさだけでなく、手の親指側の痺れや感覚の鈍さを感じることもあります。
橈骨神経麻痺の原因
橈骨神経麻痺の原因や考えられる症状には何がありますか?
主に、長時間にわたる神経の圧迫、外傷(骨折に伴う場合など)、神経の通り道が狭くなる、手術時の合併症が原因となります。手首や指を伸ばしにくくなり、手の親指側の感覚が鈍くなります。
橈骨神経麻痺には、
- 肘よりも上(上腕、いわゆる二の腕)で傷害を受ける場合
- 肘より先(前腕)で傷害を受ける場合
があり、それぞれで症状が変わります。
肘のよりも上(上腕、いわゆるニの腕)で傷害を受ける場合
上腕骨骨折などの骨折に伴う場合や、長時間の神経圧迫が原因となります。
手首の背屈(手首を手の甲側に曲げること)と手の指を伸ばすことができなくなり、だらんと垂れ下がったような手になります。これを下垂手(Drop hand)と言います。
腕から手にかけて、親指側・手の甲側のしびれや感覚の鈍さを伴うこともあります。
肘より先(前腕)で傷害を受ける場合
ガングリオンなどによる腫瘤や腫瘍に伴うもの、骨折、神経の通り道が狭くなることなどが原因となります。
橈骨神経は、肘の部分で枝分かれして運動を司る枝(後骨間神経)と感覚を司る枝(浅橈骨神経)に分かれており、どの部分が傷害されるかで症状が変わります。
肘のすぐ下の部分では後骨間神経を傷めやすく、この場合、手首の背屈は可能ですが、手の指を伸ばせない状態になります。これを下垂指(Drop finger)と言います。しびれや感覚が鈍くなるなどの感覚障害は起こりません。
前腕のうち手首に近い部分では浅橈骨神経を傷めることも多く、この場合は手首や手の甲の親指側にしびれや感覚の鈍さが生じます。下垂指は起こりません。
橈骨神経麻痺の治療・対処法
橈骨神経麻痺の場合、主にどのような治療をしますか?
原因が明らかでないものや回復の可能性があるものは保存療法を行います。骨折や脱臼などの外傷に伴う場合や、腫瘤による圧迫の場合には、手術が必要なこともあります。
橈骨神経麻痺の治療には、主に「保存療法」と「手術療法」があり、多くの場合、保存療法での治療が行われます。
保存療法
原因が明らかでない場合、神経損傷の可能性が低い場合は保存療法を行います。
薬の内服や安静、リハビリ、装具などの選択肢があります。
手術療法
骨折や脱臼などの外傷に伴う神経麻痺の場合や、腫瘤(しこりのようなもの)などによる圧迫が原因の場合は手術が行われることもあります。手術の方法については患者さんの病状によって異なります。まずは手術の適応があるかどうか、整形外科で相談しましょう。
受診の目安・何科を受診するべきか
橈骨神経麻痺が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、医療機関を受診する目安はありますか?
整形外科を受診しましょう。手首や手指の動かしづらさを自覚したら早めに受診をしましょう。
手首や指の動かしづらさや、腕から手にかけての感覚の障害を自覚したら、整形外科に早めに受診しましょう。橈骨神経麻痺は、手の麻痺の状態や痺れの範囲などで診断します。確定診断のために筋電図検査やレントゲン、MRI、超音波検査などを必要に応じて行います。
撓骨神経麻痺の専門医がいる近くの病院はありますか?
撓骨神経麻痺の専門医がいる病院を見る橈骨神経麻痺に関連するその他の質問
橈骨神経麻痺は回復するまでに、どのくらいの期間がかかりますか?
多くの場合、完全な回復まで2~3ヶ月ほどかかります。
手術以外の方法で回復が見込める場合、完全に回復するまで2~3ヶ月ほど要します。より重篤な場合には、更に時間を要することもあります。
手術が必要になる場合には、それぞれの患者さんによって回復までの期間は変わってきます。
橈骨神経麻痺について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「撓骨神経麻痺」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 手の指がしびれていますか?
- 肘から手首にかけてしびれがありますか?
- 手足などに力の入らない部分はありますか?
- しびれや感覚のおかしさを感じますか?
橈骨神経麻痺に関連する病気・症状
この記事の監修医師
濱畑 智弘 先生
山田記念病院 整形外科
慈恵医大を卒業。 浅ノ川総合病院、厚生中央病院を経て2021年4月より浅草病院 整形外科に勤務。 整形外科一般および人工関節置換術を専門とする。 より広い視点で医療を捉えなおすことが出来るように2020年4月より立教大学ビジネスデザイン研究科に入学、2022年3月に卒業しMBA取得。
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- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03