全身性エリテマトーデス(SLE)ではどのような抗体がみられますか?
全身性エリテマトーデスでは、抗dsDNA抗体や抗Sm抗体といった自己抗体が見られます。
全身性エリテマトーデス(SLE)では、血液中に抗核抗体がほぼ必ず見られます。これは体の免疫が、自分自身の細胞の核成分を攻撃するために作られる抗体です。さらに、SLEに特徴的な抗体として、抗ds-DNA抗体や抗Sm抗体が挙げられます。抗dsDNA抗体は腎臓障害(ループス腎炎)と関連し、病気の活動性の指標にもなります。
ほかにも、抗リン脂質抗体(抗カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラントなど)が、約20~40%の患者さんで検出され、血栓症や妊娠合併症のリスクを高めます。
これらの抗体は、遺伝的素因と環境因子(紫外線、ウイルス感染など)が複雑に絡み合い、免疫の異常が生じることで産生されます。SLEは多臓器に障害を起こし、心臓や腎臓、脳などの重要臓器が侵されると突然死のリスクも高まります。
まとめると、SLEでは抗核抗体をはじめ、抗二本鎖DNA抗体、抗Sm抗体、抗リン脂質抗体など、多様な自己抗体が検出され、これらが病気の診断・活動性評価・合併症リスク判定に重要な役割を果たします。
虎の門病院分院 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
(参考文献)
Siegel CH et al. Systemic Lupus Erythematosus: A Review. JAMA. 2024, 331, 1480–1491.
Pisetsky DS. Unique Interplay Between Antinuclear Antibodies and Nuclear Molecules in the Pathogenesis of Systemic Lupus Erythematosus. Arthritis Rheumatol. 2024, 76, 1334-1343.
Nicola S, et al. Relationship between clinical manifestations and serological profile in patients affected by Systemic Lupus Erythematosus. Front Immunol. 2024, , 1390642.
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