全身性エリテマトーデス(SLE)の分類基準を教えてください。
SLEには明確な診断基準はないため、2019EULAR/ACR分類基準に基づいて分類します。
全身性エリテマトーデス(SLE)の分類基準は、2019年に欧州リウマチ学会(EULAR)と米国リウマチ学会(ACR)が共同で策定した「2019 EULAR/ACR分類基準」が最新の国際標準です。
まず、抗核抗体陽性が必須の入り口条件です。これがなければSLEとは分類されません。次に、臨床症状と検査所見を「7つの臨床領域」と「3つの免疫学的領域」に分け、それぞれの項目に点数(2~10点)が割り当てられています。合計10点以上でSLEと分類されます。
具体例として、腎炎(ループス腎炎)は最大10点、関節炎は6点、皮膚症状(蝶形紅斑など)は6点、発熱や脱毛、口腔潰瘍は2~4点です。免疫学的には、抗二本鎖DNA抗体や抗Sm抗体、低補体血症、抗リン脂質抗体などが加点対象です。例えば、抗ds-DNA抗体陽性は6点、低補体血症は4点です。
これらの基準は、SLEの多様な臓器障害(腎臓、心臓、脳、皮膚、関節など)や突然死リスク、自己抗体(抗核抗体、抗dsDNA、抗Sm、抗リン脂質抗体など)、活動性指標(補体低下、蛋白尿、血球減少など)と密接に関連しています。実際の診断では、これらの症状や検査異常が、複数組み合わさることでSLEと分類されます。この分類基準は、感度・特異度ともに高く、世界的に信頼されています。
虎の門病院分院 腎臓内科
大庭 悠貴 監修
(参考文献)
Aringer M, et al. 2019 European League Against Rheumatism/American College of Rheumatology Classification Criteria for Systemic Lupus Erythematosus. Arthritis Rheumatol. 2019, 71, 1400-1412.
Aringer M, et al. European League Against Rheumatism (EULAR)/American College of Rheumatology (ACR) SLE classification criteria item performance. Ann Rheum Dis. 2021, 80, 775-781.
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全身性エリテマトーデス(SLE)
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