血管新生緑内障になると、目の血管が見えるようになりますか？

血管新生緑内障になると、通常は見えない目の内部に異常な血管が形成されることがあり、その一部が肉眼的にも見えるようになる場合があります。

この病気は、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などの網膜の血流障害を背景に発症し、虚血（酸素不足）状態が続くことで血管内皮増殖因子（VEGF）が過剰に分泌されます。その結果、本来は存在しない異常な新生血管が虹彩や隅角などに形成され、房水の排出が妨げられて眼圧が上昇します。

この新生血管が特に虹彩の表面に形成された場合、茶色い虹彩の上に細くて赤い血管が拡がり、肉眼で見ても血管が目立つように感じられることがあります。人によっては、鏡で目を見たときに、「黒目の周囲に赤い筋がある」「血管が浮き出て見える」と感じることもあります。

ただし、初期段階では肉眼ではわからず、眼科で使用する細隙灯顕微鏡という専用の機器でなければ確認できないケースも多くあります。

また、目の表面（結膜）に炎症や充血が生じることで血管が目立つ場合もありますが、これは血管新生緑内障による新生血管とは異なります。

したがって、目の見た目に異常を感じたり、普段と異なる血管の浮き上がりや赤みを自覚した場合でも、それが病的な新生血管かどうかを正確に判断するには眼科専門医による診察が必要です。

結論として、血管新生緑内障では、病気の進行によって異常な血管が見えることがありますが、その有無や程度は個人差があり、確実な診断には眼科での専門的な検査が不可欠です。

見た目に異変がある場合や、視力低下、目の痛みを感じる場合には、早期に眼科を受診することが視力を守るうえで重要です。