血管新生緑内障で失明するまでの期間はどれくらいですか?

血管新生緑内障において失明に至るまでの期間には個人差があります。

解説

血管新生緑内障において失明に至るまでの期間は、患者さんの状態や治療の有無によって大きく異なりますが、適切な治療を受けずに放置した場合には、数週間から数か月という非常に短期間で失明する可能性がある、進行の早い危険な疾患です。

この病気は、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などの網膜の虚血(酸素不足)状態を背景に発症します。網膜が酸素不足に陥ると、血管内皮増殖因子(VEGF)という物質が過剰に分泌され、虹彩や隅角といった目の前方部に異常な新生血管が形成されます。これらの新生血管は脆く破れやすいだけでなく、房水の排出路である隅角を塞いでしまい、急激な眼圧上昇を引き起こします。

眼圧が異常に高い状態が続くと、視神経が圧迫されて損傷を受け、視野が狭くなり、やがて視力を失っていきます。特に血管新生緑内障では、眼圧の上昇が急激かつ重度であることが多く、数週間~数ヶ月のうちに視力が著しく低下することも珍しくありません。また、痛みや炎症、角膜の混濁、眼内出血などを伴うこともあり、失明に加えて強い不快感を生じることもあります。

一方で、早期に発見され、抗VEGF薬の硝子体内注射や汎網膜光凝固(レーザー治療)、眼圧を下げるための点眼薬や手術などを適切に行えば、進行を抑え、視力の維持や痛みの軽減が可能となります。

結論として、血管新生緑内障は非常に緊急性の高い疾患であり、放置すると短期間で失明に至るおそれがあるため、目の異常を感じたらすぐに眼科を受診し、速やかに治療を開始することが視力を守るために極めて重要です。

公開日

最終更新日

東北大学病院 眼科

山口 知暁 監修

おすすめのQ&A
関連する病気と症状

(参考文献)

この記事をシェアする

治療が必要な患者様へのお願い

血管新生緑内障

の方は説明を必ずお読みください

こちらのQRコードを

スマーフォンのカメラで読み取ってください

疾患について分かりやすくまとまっています
1

QRコードを読み取るだけ 非接触で安心

2

一問一答なので 読むのが簡単

3

どんな治療をするべきか 納得して取り組める

関連するQ&A
関連する病気と症状
気になる症状はユビーアプリで簡単チェック
初めての方へ

ユビー病気のQ&Aとは?

現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。

病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ
無料で症状を調べる
症状を調べる

症状検索エンジン「ユビー」

体調に不安がある、医療機関への受診を考えている方向けに、20〜30問程度の質問に答えることで、あなたに関連性のある病名や、適切な受診先を無料で調べられます。

医療機関を探す
医療機関を探す

お近くの病院をお探しの方へ

「受診科が分からない」「どの医療機関に行ったらいいか分からない」といった悩みは、ユビーの病院検索が便利です。近所の病院も探せるので、ぜひご利用ください。

治療法を調べる
治療法を調べる

治療案内ユビー

自身の治療情報を登録することで、治療の選択肢や使っている薬についてなど、あなたの参考になりそうな治療情報を調べられる機能です。

ネットで医師相談
ネットで医師相談

ユビーかんたん医師相談

病院にすぐに行くべきかなど悩んだタイミングですぐに相談。つらくて病院に行けないとき、時間がないとき、夜間や休日などに、いつでも医師に相談できます。