QT延長症候群の場合、日常生活で気をつけることはありますか？

特定の運動や音、感情的な興奮を避け、QT延長作用のある薬を避けることが重要です。

QT延長症候群の治療は、危険な不整脈の発作を防ぎ、突然死のリスクを減らすことを目的とします。そのため、日常生活でも以下の点に注意が必要です。

誘因となる状況を避ける

• LQT1型では、激しい運動や水泳、マラソンが不整脈を誘発する可能性があるため、避けるか、監視下で行うべきです。
• LQT2型では、突然の大きな音（目覚まし時計や電話のベル音、運動会のスターターピストルなど）や、感情的な興奮が症状を引き起こすことがあるため、注意が必要です。
• LQT3型では、安静時や睡眠中に心イベント（失神や突然死など）を発症することが多いとされています。

薬に注意する

• QT延長作用を持つ特定の薬剤（一部の抗不整脈薬や抗菌薬、注意欠陥多動性障害（ADHD）治療薬など）は服用を避ける必要があります。他の医療機関を受診する際は、必ずこの病名であることを伝えてください。

体調管理

• 脱水や電解質異常（特に低カリウム血症、低マグネシウム血症）は、QT延長を悪化させることがあるため、予防し、適切に補正することが大切です。

緊急時の備え

• 万一の心停止に備え、AED（自動体外式除細動器）の設置場所を確認し、使用方法を知っておくことが推奨されます。学校などの関係者にも、緊急時の対応を周知しておくことが重要です。