尿道尿路上皮癌のステージIVまたは再発がんでは、どのような治療を行いますか？

ステージⅣや再発がんの場合は、状態に合わせて外科手術や放射線化学療法が行われることもあります。ステージⅣは、がんが尿道の周囲の臓器（膀胱など）まで進行している状態か、２か所以上のリンパ節に転移を認める、他の臓器（肺など）への遠隔転移がある状態です。

遠隔転移やリンパ節転移がない場合の外科手術の方法は、患者さんの性別によって、下記のような治療法を検討します。

男性の場合

恥骨の切除、膀胱や前立腺も一緒に切除する膀胱前立腺尿道全摘除術および尿路変更術を考慮されることがあります。

女性の場合

女性の外陰部癌に準じた、腟や恥骨などの切除も含めた膀胱尿道全摘除術および尿路変更術といった、かなり広範囲を切除する手術を考慮されることがあります。状況によって放射線化学療法が行われることがあります。
リンパ節転移がある場合は、上記の手術に加えて、脚の付け根（鼠径部）や骨盤の中にある転移したリンパ節を切除する手術を追加して行い、化学療法や放射線化学療法も行うことがあります。
遠隔転移がある場合は、全身化学療法といった抗がん剤を使用した治療法を基本的に行い、メリットがある場合は、上記の手術や放射線療法を組み合わせることがあります。