「バッテン病」とはどのような病気ですか?

バッテン病は主に小児期に発症し進行する遺伝性神経疾患で、現時点で根本的な治療法はありません。

解説

バッテン病は、主に小児期に発症するまれな遺伝性神経変性疾患です。

正式には「神経セロイドリポフスチン症(Neuronal Ceroid Lipofuscinosis,:NCL)」と呼ばれます。

私たちの体を構成する細胞内では、ライソゾームという器官が代謝でできた老廃物を処理しています。

バッテン病では遺伝子の異常によりライソゾームに異常が生じ、老廃物(セロイドリポフスチン)が神経細胞内に蓄積してしまい、神経が破壊され、進行性の症状を引き起こします。

発症年齢や原因遺伝子により数種類に分類されており、最も一般的には小児期に発症します。

初期症状として視力の低下やけいれんがみられ、その後、認知機能や運動機能の低下、言語障害、運動失調などが進行し、最終的には寝たきりとなり、生命予後も厳しい病気です。

原因として複数の遺伝子の変異(例:CLN1~CLN14)が報告されています。

私たちは両親それぞれから遺伝子を受け継ぎますが、バッテン病では両親どちらからも1つずつ変異した遺伝子を受け継ぐことで、病気が発症します。

この遺伝形式を「常染色体劣性遺伝」と言います。

診断は臨床症状に加え、遺伝子検査や酵素活性の測定、脳MRIなどで行われます。

現時点で根本的な治療法はなく、症状の進行を遅らせる対症療法が中心です。

CLN2型に対しては特定の酵素補充療法が承認されており、研究が進められています。

公開日

最終更新日

宮城県立こども病院 小児科

谷河 翠 監修

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