バッテン病の場合、主にどのような治療をしますか?
根本治療は未確立のため対症療法が主ですが、型によっては酵素補充療法が行われます。
バッテン病(神経セロイドリポフスチン症)には根本的な治療法はまだ確立されておらず、症状を軽減するための対症療法が行われます。
型によっては、酵素補充療法という治療が行われることもあります。以下に詳しく説明します。
CLN2型に対しては、セリリポナーゼ アルファ(Cerliponase alfa)という酵素補充療法が欧米や一部の国で承認されています。
脳室内に薬剤を投与し、足りない酵素を補うことで、リソソーム内にたまった老廃物を分解する方法です。
病気の進行を遅らせる効果があり、日本でも希少疾患として治療が可能なケースがあります。
その他の型(CLN1、CLN3など)に対しては、対症療法が中心です。
たとえば、てんかん発作に対しては抗てんかん薬、筋肉の硬直には筋弛緩薬などが用いられます。
また、理学療法・作業療法・言語療法によって、運動機能や日常生活動作の維持を目指します。
視覚障害や摂食困難などにも個別の対応が必要で、視覚支援や経管栄養などが選択されることもあります。
さらに、心理的・社会的サポートも重要で、患者本人とその家族のQOL(生活の質)を高めるための支援が不可欠です。
近年は遺伝子治療や幹細胞療法の研究も進んでおり、将来的な治療法の確立が期待されています。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
.“神経セロイドリポフスチン症”.小児慢性特定疾病情報センター.https://www.shouman.jp/disease/details/0806101/,(参照 2025-04-30).
衞藤 薫.“神経セロイドリポフスチン症”.J-Stage.https://www.jstage.jst.go.jp/article/ojjscn/53/4/53251/article/-char/ja/,(参照 2025-04-30).
Tyler B Johnson et al.“Therapeutic landscape for Batten disease: current treatments and future prospects”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30783219/,(参照 2025-04-30).
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