鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

鉄キレート剤(注射、経口)があります。主な副作用として、腎機能障害、発疹、下痢、吐き気などがあります。

解説

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)の薬物治療には、鉄を体から出す鉄排泄促進薬を使用します。これを「鉄キレート剤」といい、

  • 注射剤(デフェロキサミン)
  • 経口剤(デフェラシロクス)

があります。

遺伝性ヘモクロマトーシスではデフェロキサミンが使用されます。輸血後鉄過剰症ではいずれも使用可能ですが、デフェラシロクスは毎日注射で投与(筋肉注射)する必要があります。通院が負担になるため、デフェラシロクスが第一選択薬として使用されています。以下はそれぞれの薬剤の特徴です。

デフェロキサミン(デスフェラールⓇなど)

副作用:注射部位の反応、吐き気などの消化器症状、視力の異常、耳の聞こえが悪くなる、感染症、皮疹、腎障害、肝機能検査値の異常など

デフェラシロクス(ジャドニュⓇなど)

副作用:腎障害、吐き気などの消化器症状、肝機能検査値の異常、皮疹、水晶体混濁(初期の白内障)、耳の聞こえが悪くなるなど

公開日

最終更新日

名古屋大学病院 小児がん治療センター 血液内科

秋田 直洋 監修

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