感染性心内膜炎の末期症状はどのようなものがありますか?

適切な対応が行われなかった場合、全身性の塞栓症や心不全、敗血症など命に関わる合併症が引き起こされます

解説

感染性心内膜炎が進行し重篤となると、脳や心臓などのあらゆる臓器や血管の閉塞症、心不全敗血症などの合併症が引き起こされる場合があります。これらの合併症は、命に関わる可能性があります。

感染性心内膜炎が進行し重篤となると、以下のような状態が引き起こされる可能性があります。

塞栓症

心内膜に形成された菌の塊や血栓が血流に乗って心臓の外に流されることで、脳や心臓(冠動脈)、腎臓、腸、肝臓など全身のさまざまな臓器や血管につまってしまう塞栓症を引き起こします。
脳の血管に詰まれば脳梗塞、冠動脈に詰まれば心筋梗塞、腎臓の血管に詰まれば腎梗塞となります。

心不全

心内膜に形成された疣贅(菌の塊)によって局所の炎症が進行すると、感染を起こした心臓の弁や腱索(心臓の弁を支える構造)が破壊され、弁の逆流が急激に悪化し、心不全状態となります。

敗血症

菌の感染が持続・悪化することで感染を起こした局所の炎症が増悪し、弁の破壊や塞栓症、全身の衰弱や栄養状態・全身状態の悪化を引き起こしやすくなります。
さらに、感染による炎症が強くなることで播種性血管内凝固症候群(DIC)等の血液凝固異常など、重篤な状態が引き起こされることもあります。

これらの合併症が生じてしまうと、重症化する危険が非常に高くなり、致死的となる可能性も高くなります。

公開日

最終更新日

おだかクリニック 循環器内科 副院長

小鷹 悠二 監修

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感染性心内膜炎

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関連するQ&A

感染性心内膜炎の場合、身体にはどんな変化がみられますか?

見た目でわかる症状には手足の皮疹や色の変化等がありますが、頻度は低いです。

感染性心内膜炎の場合、抗菌薬の投与期間はどれくらいですか?

原因となる菌と使用される薬剤によって異なりますが、2~6週間の使用が推奨されています。

感染性心内膜炎が原因で心不全になることはありますか?

感染性心内膜炎では、心不全に陥る場合があります

感染性心内膜炎で心臓に菌が入るとどうなりますか?

感染性心内膜炎は心臓に菌が侵入して発症する病気です。場合によっては心不全などを合併します。

感染性心内膜炎の場合、どのような手術をしますか?

感染性心内膜炎の外科術としては、心臓の弁の修復や、人工弁に置換する等の手術があります。

ストレスが原因で感染性心内膜炎になることはありますか?

心理的ストレスは直接的な発症原因にはなりませんが、免疫力低下が感染リスクを高める可能性は考えられます

感染性心内膜炎による心臓の疣贅(ゆうぜい)とはなんですか?

感染性心内膜炎でみられる疣贅(ゆうぜい)とは、心臓の弁などにみられる血栓と細菌が混じった小さな塊です。

感染性心内膜炎の場合、脳出血が起きることはありますか?

感染性心内膜炎の合併症として脳出血が起こる場合があります。

感染性心内膜炎を放置するとどうなりますか?

適切な治療を行わず放置した場合、心不全、敗血症など命に関わる合併症が引き起こされる場合があります。

感染性心内膜炎の余命はどれくらいですか?

治療を行わなかった場合、発症から死亡までの期間は急性心内膜炎で1.5ヶ月とされています。

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