耳下腺癌と良性の耳下腺腫瘍の違いについて教えてください。
耳下腺癌ではしこりの痛み、周囲との癒着、顔面の神経の麻痺を伴います。
耳下腺にできる腫瘍には、良性のものと悪性、すなわち耳下腺癌があります。これらは見た目が似ている場合もありますが、性質や進行に大きな違いがあります。
良性腫瘍の特徴
耳下腺腫瘍のうち約8割は良性腫瘍であり、代表的なものには「多形腺腫」や「ワルチン腫瘍」などがあります。これらは比較的ゆっくりと成長し、痛みがなく、触ると弾力があり、よく動くしこりとして認識されることが多いです。基本的には転移せず、外科的に摘出することで完治することがほとんどです。ただし、切除が不完全な場合には再発することがあります。
耳下腺癌の特徴
悪性の耳下腺癌は耳下腺腫瘍全体の約2割を占めます。代表的な悪性腫瘍には粘表皮がん、腺様嚢胞がん、扁平上皮がんなどがあります。これらは比較的急速に増大しやすく、しこりが硬く動きにくく、皮膚に癒着することもあります。
悪性腫瘍では顔面神経を巻き込んで麻痺を起こすこともあり、このような神経症状がみられる場合は特に注意が必要です。
根治を目指す治療の場合、基本的に手術を行うのは良性腫瘍と共通していますが、手術の範囲や頸部のリンパ節の手術(頸部郭清術)の有無に違いがあります。
真生会富山病院 耳鼻咽喉科
阿河 光治 監修
(参考文献)
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