甲状腺濾胞癌のステージIIでは、どのような治療を行いますか?
甲状腺濾胞癌の場合、55歳以上のステージⅡでは、まず片葉切除で確定診断を行い、浸潤(がん細胞の周囲の組織への入り込み)やリスクに応じて全摘や放射性ヨウ素療法を追加で行います。55歳未満のステージⅡでは甲状腺全摘術後に放射性ヨウ素内用療法を行います。
甲状腺濾胞癌のステージ分類は年齢で分かれます。乳頭癌・濾胞癌・低分化癌は55歳未満では腫瘍の大きさと広がり(T)や甲状腺近くのリンパ節転移(N)に関係なく、遠隔転移(甲状腺から遠く離れた臓器に拡がること)がなければⅠ期、あればⅡ期とされています。
55歳以上では、Ⅱ期は①がんが甲状腺の中に留まり大きさが4 cm以下であるが近くのリンパ節に転移がある場合②がんは甲状腺の中に留まっているが4 cmを超える場合または甲状腺の外(頚部前面の筋肉)にわずかに広がった状態になります。治療は、遠隔転移の有無、手術後の病理結果、浸潤(がんが周囲の組織へ入り込むこと)の程度で決まります。濾胞癌が疑われ、遠隔転移がなければ、まず腫瘍がある側の甲状腺を切除する片葉手術が行われ、がんかどうかを調べます。がんと判明した後は、がんの大きさや全身状態によって残った甲状腺をすべて摘出する手術が追加されます。遠隔転移がある場合は甲状腺全摘術後に放射性ヨウ素内用療法を行いますが、これは55歳未満のⅡ期、55歳以上では進行例に相当する病期で行われる治療です。
片葉切除後に濾胞癌と分かった場合、微少浸潤型(顕微鏡で分かる程度の小さな浸潤)では追加で残りの甲状腺を全部摘出する手術は行わないことが推奨されています。一方、被包性血管浸潤型(がんが膜に包まれているがその一部が血管の中に入り込んでいるもの)では、血管浸潤4か所以上、年齢55歳以上、原発腫瘍のサイズが4 cm超のいずれかに当てはまれば追加で甲状腺全摘術を行い、血管浸潤を伴う広汎浸潤型(広く周りの組織に入り込むタイプ)でも追加で甲状腺全摘術を行うことが推奨されています。
血管浸潤が多い例や広汎浸潤型では再発リスク高く、手術後に残存する組織を除去したり、目に見えない微小転移を治療したりする目的で放射性ヨウ素内用療法が検討されます。特にステージⅡ(55歳未満で遠隔転移あり)の場合は、甲状腺全摘術後に全身治療として放射性ヨウ素内用療法(放射性ヨウ素を含むカプセルを飲み体内から放射線でがんを治療する方法)を行います。
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(参考文献)
.“甲状腺がん”.がん情報サービス.https://ganjoho.jp/public/cancer/thyroid/index.html,(参照 2026-03-25).
一般社団法人 日本内分泌外科学会.“甲状腺腫瘍診療ガイドライン 2024”..https://jaes.umin.jp/info/guidelines_guideline2024.html,(参照 2026-03-25).
Haruhiko Yamazaki et al.“Management of follicular thyroid carcinoma”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39419099/,(参照 2026-03-25).
Pepijn van Houten et al.“Differentiated thyroid carcinoma: An update”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36002346/,(参照 2026-03-25).
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医療法人社団メレガリ うるうクリニック関内馬車道 糖尿病・内分泌科
濵﨑 秀崇 監修
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