口の中が痛む原因として考えられる病気には何がありますか?
口の中が痛む原因としては、粘膜に生じる口内炎や口腔がん、歯茎の病気である歯周病などが考えられます。
口の中が痛む原因としては、一般的な口内炎の他に感染(ウイルス、細菌、真菌)、腫瘍、自己免疫疾患、歯性などがあります。
具体的な原因には、以下のようなものが挙げられます。
口内炎
アフタ性口内炎
小さな円形、または楕円形の白っぽい潰瘍が口の中に発生し、非常に痛みます。ストレス、栄養不足、免疫力の低下などが原因とされます。
感染
カンジダ症
カンジダ症は口の中に白い斑点が現れる真菌感染症で、特に免疫力が低下している人に発生しやすいです。痛みとともに灼熱感を伴うことがあります。
ヘルペス
単純ヘルペスウイルスによる感染症で、口唇や口の中に水疱ができ、破れて潰瘍になると痛みます。再発しやすいのが特徴です。
手足口病
手足口病はエンテロウイルスによる感染症で、口の中に小さな水疱や潰瘍ができるとともに、手足にも発疹が現れます。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナは、エンテロウイルスによる夏季に多い感染症で、口蓋や咽頭に小さな潰瘍ができ、発熱と強い喉の痛みを伴います。
腫瘍
口腔がん(舌がん、口腔底がん、歯肉がん、頬粘膜がん、硬口蓋がん)
口の中の組織に発生するがん(悪性腫瘍)で、初期には痛みがないことが多いですが、進行すると潰瘍ができ、痛みを伴います。
悪性リンパ腫
悪性リンパ腫は口の中に発生することもある血液のがんで、リンパ節の腫れや口の中の痛みを伴うことがあります。
自己免疫疾患
ベーチェット病
ベーチェット病は口の中に再発性の痛みを伴う潰瘍ができる自己免疫疾患で、全身にさまざまな症状を引き起こします。
シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は唾液腺や涙腺が破壊される自己免疫疾患で、口腔乾燥症を引き起こし、痛みや不快感を伴います。
サルコイドーシス
全身の臓器に炎症性の肉芽腫(しこり)が形成される病気で、口の中にも影響がおよび、痛みを伴うことがあります。
天疱瘡
皮膚や粘膜に水疱ができやすい自己免疫疾患で、口の中にも水疱ができ、痛みを伴います。
類天疱瘡
天疱瘡と類似した自己免疫疾患で、口の中に水疱や潰瘍ができ、痛みを引き起こします。
歯性
歯周病
歯を支える組織が炎症を起こし、歯茎の腫れや痛み、出血が見られる病気です。
う蝕(むし歯)
歯のエナメル質や象牙質が細菌によって破壊され、痛みを伴います。進行すると歯髄炎を引き起こし、さらに強い痛みが生じます。
根尖性歯周炎
神経を取った歯や神経が死んだ歯の根の内部で細菌が増殖すると、歯根の周囲に膿がたまります。
智歯周囲炎
親知らずの周りは汚れがたまりやすく、歯茎が炎症を起こして腫れ、痛みを伴うことがあります。
神経痛
三叉神経痛
顔の感覚を司る三叉神経が刺激されることで、顔や口の中に突然、強い痛みが走る病気です。
舌咽神経痛
舌と咽頭の感覚を司る舌咽神経が刺激されることで、舌や咽頭に激しい痛みが生じます。
その他
特発性舌痛症
明確な原因がないのに舌が痛む状態で、ストレスやホルモンバランスの変化が関連していると考えられています。
扁平苔癬
慢性的な炎症性疾患で、口の中に白い線状の模様や紅斑、潰瘍が現れ、痛みを伴います。
白板症
口の中の粘膜が白く変化し、時には痛みを伴うことがあります。悪性化のリスクもあるため、注意が必要です。
亜鉛欠乏
亜鉛の不足により、味覚障害や口の中の痛みが生じることがあります。
鉄欠乏
鉄の不足による貧血が原因で、口の中の痛みや舌のひりひり感が生じることがあります。
怪我
口の中の怪我や噛み傷、合わない入れ歯の使用によって、傷口が痛むことがあります。
火傷
熱い食べ物や飲み物による火傷で、口の中が痛むことがあります。
ドライマウス(口腔乾燥症)
唾液の分泌が減少し、口の中が乾燥することで、痛みや不快感を伴います。
公開日:
最終更新日:
真生会富山病院 耳鼻咽喉科
阿河 光治 監修
(参考文献)
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