白血病の出血症状として、あざ(紫斑)、点状出血、鼻血はどのように現れますか?
血小板減少が原因であざや点状出血、鼻血が現れます。症状の程度は血小板数に依存し、白血病に特徴的なものではありません。
出血が止まる仕組み(止血機構)は、一次止血と二次止血に分けて考えられます。前者は血小板が主体で、後者は凝固因子と呼ばれるタンパク質が主体になります。
ここでは、白血病の初期の出血症状を血小板減少が主体になって生じている病態と考え、ご説明しています。
骨髄で産生される血液細胞は、白血病によってその細胞数が低下します。骨髄で産生される血小板もその数が低下し、一次止血障害の原因となります。血小板数の低下の際は、皮膚・粘膜の紫斑(あざ)が主要な徴候です。
粘膜出血として鼻出血(鼻血)、歯肉出血(歯ぐきからの出血)、月経過多(月経の出血が多量になる)、消化管出血などがあります。
皮膚・粘膜の出血の程度は血小板数と相関し、8〜10万/μlでは軽度の打撲で出血斑が出現し、5万/μl以下では打撲の記憶のない出血斑が現れます。1万/μl以下になると点状出血が特徴的となります。
二次止血の異常にみられる関節内・筋肉内出血はほとんどありません。
鼻出血は小児や乾燥した地域ではありふれた症状ですが、治療を要するような鼻出血は病的だと判断されます。
上記の出血症状はいずれも白血病に特徴的なものではなく、ご心配な場合は、血液内科もしくは内科を受診してください。
公開日:
最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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「白血病」とはどのような病気ですか?
白血病は、血液のがんの一種です。血液を作る種となる造血幹細胞が、がん化して「白血病細胞」になることによって発症します。
白血病の原因は何がありますか?
白血病の原因に関しては、その詳細なメカニズムは完全には解明されていません。遺伝子変異の蓄積が重要な要因であると考えられています。
白血病ではどのような症状がありますか?
貧血症状、出血しやすい、発熱等の症状が起こります。
白血病には初期症状はありますか?
貧血症状、出血症状、発熱などの症状が出ることがあります。慢性白血病は、初期には症状が出づらいです。
白血病の場合、主にどのような治療をしますか?
白血病の種類や患者さんの状態などに応じて抗がん剤治療・骨髄移植・CAR-T細胞療法・分子標的治療から選択します。
白血病が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?また、病院を受診する目安はありますか?
白血病の診療科は血液内科ですが、自身で白血病に気付くのは難しいでしょう。貧血や出血傾向などがあれば内科を受診してください。
白血病のセルフチェックはできますか?
一般的に、白血病の具体的なセルフチェック方法は確立していませんが、自覚症状を評価し速やかに医療機関を受診することは重要です。
白血病の生存率はどのくらいありますか?
個別の状況によって大きく異なります。統計情報では5年生存率は44%ですが、個人の5年生存率を意味する数字ではありません。
白血病に気付くきっかけには、どのようなものがありますか?
発熱の持続、出血傾向、貧血症状などがきっかけとなることがあります。無症状でも健康診断の採血を機に異常が指摘される場合があります。
白血病になると、白血球数はどうなりますか?
白血病では、白血球数は増加する場合も低下する場合もあります。
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