白血病の治療方法として、ステージごとにそれぞれどのようなものがありますか?
多剤併用化学療法が中心に行われ、特に慢性骨髄性白血病ではチロシンキナーゼ阻害薬が重要な薬剤です。再発難治例は造血幹細胞移植が考慮されます。
白血病の治療方法は、病型や進行度(初発もしくは再発など)、患者さんの年齢や健康状態によって異なります。
ここでは、一般的な治療オプションを急性白血病と慢性白血病に分けて説明します。
急性白血病の治療
①急性リンパ性白血病(ALL)
- 寛解導入療法:白血病細胞の減少と抑制された正常造血の回復を目的に多剤併用療法が行われます。
- 地固め療法:白血病細胞のさらなる減少のため、強力な多剤併用療法を数サイクル行います。
- 維持療法:通院で約2〜3年化学療法を継続します。
- 造血幹細胞移植:完全寛解CRを達成していますが、治癒の可能性が低い症例で考慮されます。
②急性骨髄性白血病(AML)
- 寛解導入療法:化学療法で白血病細胞を1/100~1/1000に減らし、完全寛解(CR)を目標とします。
- 寛解後療法(地固め療法):残存白血病細胞をさらに減少させます。
- 造血幹細胞移植:予後不良群、再発症例で考慮します。
慢性白血病の治療
①慢性骨髄性白血病(CML)
- 慢性期:イマチニブなどのチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が標準治療です。
- 移行期・急性転化期:第二世代TKI、造血幹細胞移植を行います。
②慢性リンパ性白血病(CLL)
- ステージA(初期):経過観察が多く、症状進行がみられるまでは治療しません。
- ステージB/C:化学療法や新しい分子標的薬が用いられます。
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最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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