マントル細胞リンパ腫とバーキットリンパ腫の違いを教えてください。
どちらもB細胞由来の悪性リンパ腫ですが、発症機序、進行速度、治療法、予後などに大きな違いがあります。
マントル細胞リンパ腫(MCL)とバーキットリンパ腫(BL)の主な違いは、異常が起こる染色体の組み合わせです。
この発症機序の違いにより、臨床像や予後も明確に異なります。
MCLとBLはともに血液系のがんの一種(悪性リンパ腫)で、B細胞という免疫細胞ががん化する病気です。
両方とも何らかの原因により染色体の一部が入れ替わる転座という異常が生じ、特定の遺伝子の働きが異常に活発になることでがん細胞が発生します。
MCLでは、11番染色体の一部と14番染色体の一部が入れ替わるt(11;14)という転座が起こり、細胞分裂の制御に関わるcyclin D1遺伝子が過剰に発現します。
BLでは、8番染色体の一部と14番染色体の一部が入れ替わるt(8;14)という転座が起こり、細胞の増殖、成長、分化、アポトーシス(計画的な細胞死)などを調節するc-Myc遺伝子が過剰に発現します。
臨床像には以下のような違いがあります。
- MCL:中高年に多く発症し、進行は比較的遅い。リンパ節や骨髄浸潤、消化管浸潤などが見られる。再発しやすく、標準治療後も長期寛解が難しい場合が多い。
- BL:小児や若年成人に多く発症し、急速に進行し重篤化する。腹部腫瘤や中枢神経系への浸潤が特徴的である。強力な化学療法により高い治癒率が期待できる。
宮城県立こども病院 小児科
谷河 翠 監修
(参考文献)
こちらの記事は参考になりましたか?
よろしければ、ご意見・ご感想をお寄せください。
こちらは送信専用のフォームです。氏名やご自身の病気の詳細などの個人情報は入れないでください。
この記事をシェアする
治療が必要な患者様へのお願い
マントル細胞リンパ腫
の方は説明を必ずお読みください
こちらのQRコードを
スマーフォンのカメラで読み取ってください
疾患について分かりやすくまとまっています
1
QRコードを読み取るだけ 非接触で安心
2
一問一答なので 読むのが簡単
3
どんな治療をするべきか 納得して取り組める
初めての方へ
ユビー病気のQ&Aとは?
現役の医師が、患者さんの気になることや治療方法について解説しています。ご自身だけでは対処することがむずかしい具体的な対応方法や知識などを知ることができます。
病気・症状から探す医師・医療機関の方はコチラ