前立腺肥大症によい飲み物はありますか?

治療効果とその根拠がある特定の飲み物はありません。ただし、水分の摂り方が症状に影響することはあります。

前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)の症状を和らげる特定の飲み物は、現時点で明確には確立されていません。ただし、水分の摂り方や食習慣が症状に影響することはあるとされています。

前立腺肥大症に効果がある飲み物はある?

前立腺肥大症を治す、あるいは確実に改善させる飲み物は現在のところ確認されていません。健康食品やサプリメントなど、通常の治療の代わりに用いる方法も、推奨する根拠が十分ではないとされています[1]。飲み物選びよりも、後述する水分の摂り方や生活習慣全体を見直すことのほうが重要です[1, 2]。

前立腺肥大症と大豆イソフラボンの関係

ある小規模研究では大豆イソフラボンを1日40mgとった場合と、有効成分を含まない偽薬を比較して、排尿症状の重さを点数にした指標や尿の勢いなどが両群とも改善し、一部の項目でイソフラボンをとった群のほうが、やや良好な傾向がみられましたが、全体として明確な差は確認されませんでした[3]。
そのほかにも大豆や穀物に多く含まれるイソフラボンは、前立腺肥大症を抑える働きがあるのではないかという報告はありますが、治療に代わる効果があると断定できる段階ではありません[1]。

前立腺肥大症で水分の摂りすぎに注意が必要な理由

前立腺肥大症の有無にかかわらず、水分を多く摂りすぎると尿量が増え、日中の頻尿や夜間頻尿といった症状が強くなることがあります。
そのため、水分の摂り方を工夫するなど日常生活の習慣を見直す方法(行動療法)は、薬や手術に先立って、あるいは併用して行うことがすすめられており、過度な水分摂取を控えることで排尿症状の点数や生活の満足度が改善したと報告されています[1, 2]。喉が渇いたときには適量を摂る程度を心がけ、就寝前の水分の摂り方には注意するとよいでしょう。

前立腺肥大症と飲酒・カフェインの関係

アルコールについても水分摂取と同様に、摂りすぎると頻尿につながることがあります。ただし、飲酒と前立腺肥大症そのものとの関連は明確ではないとされています[1]。前立腺肥大症の症状が強い場合などは、飲酒を契機に尿が出なくなる(尿閉)を起こすこともあります。[1]
コーヒーやお茶などに含まれるカフェインも、尿の量を増やしたり膀胱を刺激したりすることがあるため、症状が気になる場合はアルコールやカフェインの量を控えめにすることがすすめられています[2]。

前立腺肥大症の症状が気になるときは

排尿の回数が増える、尿の勢いが弱くなる、残尿感があるなどの症状が続く場合は、食事や飲み物の工夫だけで対応しようとせず、泌尿器科を受診しましょう。

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(参考文献)

[1]. 日本泌尿器科学会(編)『男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン』リッチヒルメディカル、2017年
[2]. Gravas S, Gacci M, Gratzke C, et al. Summary Paper on the 2023 European Association of Urology Guidelines on the Management of Non-neurogenic Male Lower Urinary Tract Symptoms. Eur Urol. 2023 Aug;84(2):207-222.
[3]. Wong WC, Wong EL, Li H, You JH, Ho S, Woo J, Hui E. Isoflavones in treating watchful waiting benign prostate hyperplasia: a double-blinded, randomized controlled trial. J Altern Complement Med. 2012 Jan;18(1):54-60.

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  2. 医師執筆/監修

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  4. 公開

東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科

秋元 隆宏 監修

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