肥厚性瘢痕の治療にダーマペンは効果がありますか?
現時点では、確立された治療法として十分な医学的根拠があるとは、まだ言えない状況です。
ダーマペンは、極細の針で皮膚に微細な穴を多数開けることで、皮膚が本来持つ創傷治癒能力を引き出す治療法です。肥厚性瘢痕に対しては、主に以下の2つの作用が期待されています。
コラーゲンの再構築(リモデリング)
肥厚性瘢痕は、創傷治癒の過程でコラーゲン線維が過剰に、かつ不規則に増殖して硬く盛り上がった状態です。ダーマペンで瘢痕組織に微細な損傷を与えることで、異常な線維組織を破壊し、正常に近いコラーゲンの再構築を促す効果が期待されます。これにより、瘢痕の硬さや盛り上がりの改善が見込まれます。
薬剤の浸透促進(ドラッグデリバリーシステム)
皮膚に開けた微細な穴から、瘢痕治療に有効な薬剤(ステロイドなど)を直接浸透させることができます。注射に比べて薬剤を均一に浸透させやすく、治療効果を高めることが期待されます。
複数の研究が報告されており、有望な選択肢のひとつですが、その有効性と安全性を裏付ける医学的根拠は、まだ十分とは言えません。 現時点では医師が慎重に判断したうえで検討される自由診療の治療法と位置づけられます。
日本医科大学付属病院形成外科 形成外科
初岡 佑一 監修
(参考文献)
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