過眠症と概日リズム睡眠障害の違いを教えてください。

過眠症と概日リズム睡眠障害は、どちらも日中の眠気を引き起こすことがありますが、その原因が異なります。

過眠症は、夜間に十分な睡眠をとっていても、日中に耐え難い眠気が生じる状態です。これは、眠気をコントロールする脳の機能自体に、なんらかの問題があると考えられています。つまり、睡眠の「量」や「タイミング」に関わらず、覚醒を維持する能力が低下している状態です。

一方、概日リズム睡眠障害は、体内に備わっている約24時間周期の「体内時計（概日リズム）」と、学校や仕事といった社会的な生活リズムとの間に、ずれが生じることで起こります。例えば、体内時計が後ろにずれている「睡眠・覚醒相後退障害」の人は、深夜まで眠れず朝起きるのが困難で、無理に早起きすると日中に強い眠気を感じます。しかし、自分のリズムに合った時間帯（例えば深夜から昼まで）に眠れば、すっきりと活動できます。

つまり、眠気の原因が「覚醒維持能力の問題（過眠症）」なのか、「体内時計と生活リズムの不一致（概日リズム睡眠障害）」なのかが大きな違いです。