レビー小体型認知症の進行は早いですか?

認知機能の低下速度はアルツハイマー型認知症と大きな差はありませんが、体の動きにくさなどの影響で全体的な生存期間は短い傾向があります。

レビー小体型認知症の進行は早い?

レビー小体型認知症の認知機能(記憶力や判断力)が低下する速度は、アルツハイマー型認知症と大きな差がないとされています(Williams et al. Neurology. 2006)。ただし、レビー小体型認知症では手足のふるえや動きにくさ(パーキンソン症状)など、認知機能以外の症状も進行するため、体全体への影響はより大きくなることがあります。その結果、全体的な生存期間はアルツハイマー型認知症よりも短い傾向が報告されています。

レビー小体型認知症とは

レビー小体型認知症とは、脳の神経細胞に「レビー小体」という異常なたんぱく質のかたまりがたまることで発症する認知症です。認知症全体の約20%を占め、アルツハイマー型認知症に次いで多いとされています(健康長寿ネット)。主な特徴として、以下の4つが挙げられています(日本神経学会)。

  • 認知機能に波がある(日によって調子が大きく変わる)
  • 実際にはないものが見える(幻視)
  • 手足のふるえや動きにくさ(パーキンソン症状)
  • 睡眠中に大声を出したり暴れたりする

レビー小体型認知症が進むとどうなるか

病気が進行すると、以下のような症状が現れたり悪化したりすることがあります(認知症疾患診療ガイドライン2017)。

  • パーキンソン症状の悪化:手足のふるえや筋肉のこわばりが強くなり、歩行が不安定になって転びやすくなる
  • 飲み込む力の低下:食べ物や飲み物がうまく飲み込めなくなり、食べ物などが誤って気管に入ることで起こる肺炎(誤嚥性肺炎)を起こしやすくなる
  • 自律神経の症状:便秘立ちくらみ、排尿の問題などが目立つようになる
  • 認知機能のさらなる低下:日常生活の動作が難しくなり、介護が必要な場面が増える

レビー小体型認知症との付き合い方

現在のところ、レビー小体型認知症を根本的に治す治療法は確立されていません(日本神経学会)。そのため、症状に合わせた治療を行いながら、本人が安全に過ごしやすい生活環境を整えることが大切です(認知症疾患診療ガイドライン2017)。転倒を防ぐための住まいの工夫や、日常的なリハビリテーションの継続が生活の質の維持に役立ちます。症状の変化が気になる場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。

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新百合ヶ丘総合病院 脳神経内科

武井 悠香子 監修

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