鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)の場合、主にどのような治療をしますか?

臓器に沈着した鉄を除去する治療として、血液を抜く方法(瀉血)や、鉄を排せつする薬剤の使用などがあります。

解説

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)の治療は、

  • 臓器に沈着した鉄を除去する治療
  • 鉄沈着により生じた臓器障害に対する対症療法

の二つに分けられます。

鉄を除去する治療

鉄を除去する治療には、体内から血液を大量に抜く方法(瀉血:しゃけつ)と鉄キレート療法(鉄排泄促進薬)投与があります。

瀉血

瀉血による血液喪失で貧血状態になることがありますが、これにより造血が進み、臓器に沈着していた鉄が血液中に流れ出て、臓器中の鉄の減少します。輸血後の鉄過剰症では貧血が背景にあり、赤血球輸血を行っていることから瀉血は一般的に行いません。

鉄キレート療法

注射剤(デフェロキサミン)と経口剤(デフェラシロクス)があります。いずれも鉄の尿や奮中への排せつを促すもので、毎日投与が必要です。経口剤は1日1回の服用で効果が期待でき、広く使用されています。

鉄沈着により生じた臓器障害に対する対症療法

鉄沈着によって現れた臓器の症状に対して、対応する治療を行います。(根本的治療ではなく対応としての治療)

遺伝性ヘモクロマトーシスでは、病的な遺伝子を良くする根本的治療は現時点で不可能です。そのため、上記治療が中心となります。

公開日

最終更新日

名古屋大学病院 小児がん治療センター 血液内科

秋田 直洋 監修

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関連するQ&A

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)は肝障害を起こしますか?

肝臓は影響を受けやすい臓器のひとつであるため、肝障害が生じます。

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)と糖尿病にはどのような関連がありますか?

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)は糖尿病を合併する割合が高く、膵臓や肝臓への鉄沈着が原因と考えられます。

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)の予後は良いですか?

予後に関して十分な情報を示す研究は現時点でありません。

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)で貧血になりますか?

貧血は鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)の主な症状ではありません。治療法である瀉血で貧血となる場合があります。

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)と診断されるフェリチンの数値はいくつですか?

血清フェリチンが500ng/mL以上の場合、鉄過剰症が疑われます。

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)の場合、日常生活で気を付けることはありますか?

アルコールの摂取を控え、鉄分の制限をしましょう。また、定期的な通院も継続してください。

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?

薬以外の治療として、体内から血液を抜く瀉血があります。

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?

鉄キレート剤(注射、経口)があります。主な副作用として、腎機能障害、発疹、下痢、吐き気などがあります。

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)のセルフチェックはできますか?

解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。

鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)が疑われる場合、何科を受診したらよいですか?

内科(血液内科)を受診してください。

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