鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)の場合、主にどのような治療をしますか?
臓器に沈着した鉄を除去する治療として、血液を抜く方法(瀉血)や、鉄を排せつする薬剤の使用などがあります。
鉄過剰症(ヘモクロマトーシス)の治療は、
- 臓器に沈着した鉄を除去する治療
- 鉄沈着により生じた臓器障害に対する対症療法
の二つに分けられます。
鉄を除去する治療
鉄を除去する治療には、体内から血液を大量に抜く方法(瀉血:しゃけつ)と鉄キレート療法(鉄排泄促進薬)投与があります。
瀉血
瀉血による血液喪失で貧血状態になることがありますが、これにより造血が進み、臓器に沈着していた鉄が血液中に流れ出て、臓器中の鉄の減少します。輸血後の鉄過剰症では貧血が背景にあり、赤血球輸血を行っていることから瀉血は一般的に行いません。
鉄キレート療法
注射剤(デフェロキサミン)と経口剤(デフェラシロクス)があります。いずれも鉄の尿や奮中への排せつを促すもので、毎日投与が必要です。経口剤は1日1回の服用で効果が期待でき、広く使用されています。
鉄沈着により生じた臓器障害に対する対症療法
鉄沈着によって現れた臓器の症状に対して、対応する治療を行います。(根本的治療ではなく対応としての治療)
遺伝性ヘモクロマトーシスでは、病的な遺伝子を良くする根本的治療は現時点で不可能です。そのため、上記治療が中心となります。
公開日:
最終更新日:
名古屋大学病院 小児がん治療センター 血液内科
秋田 直洋 監修
(参考文献)
難病情報センター.血液・凝固系疾患分野|ヘモクロマトーシス(平成22年度).難病情報センター,https://www.nanbyou.or.jp/entry/869(参照 2024-06-10)
輸血後鉄過剰症の診療参照ガイド改訂版作成のためのワーキンググループ.“輸血後鉄過剰症の診療参照ガイド 令和4年度改定版”.特発性造血障害に関する調査研究班.http://zoketsushogaihan.umin.jp/file/2022/Post-transfusion_iron_overload.pdf,(参照 2024-06-10).
ノバルティスファーマ.“デスフェラールⓇ注射用500mg 添付文書”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3929402D1036_1_09/,(参照 2024-06-10).
ノバルティスファーマ.“ジャドニュⓇ顆粒分包90mg/ジャドニュⓇ顆粒分包360mg 添付文書”.医薬品医療機器情報提供ホームページ.https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3929008D1022_1_03/,(参照 2024-06-10).
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