QT延長症候群の場合、主にどのような治療をしますか？

主に薬の内服、生活習慣の改善、不整脈を止める機械を体内に植え込むことなどがあります。

QT延長症候群の治療は、突然死につながる危険な不整脈発作を防ぐことを目的とします。主な治療法は以下の通りです。

薬による治療

• β（ベータ）遮断薬：心臓の過剰な興奮を抑える最も基本的な薬です。危険な不整脈のリスクを大幅に減らします。遺伝子型によって有効な薬の種類が異なる場合があります。
• 発作が起きた時の治療：発作時は、硫酸マグネシウムの点滴や、一時的に心拍数を上げてリズムを安定させるペースメーカーの使用などが行われます。
• 電解質の補正：体内のカリウムが不足すると症状が悪化しやすいため、カリウム製剤などで補給し、カリウムの値を正常に保ちます。

生活習慣の改善

• 特定の行動の回避：遺伝子型によって症状が誘発される状況が異なります。例えば、LQT1型では激しい運動や水泳を、LQT2型では突然の大きな音や感情的な興奮を避けるよう指導されます。
• 薬の注意：QT延長作用のある薬剤（特定の抗菌薬やADHD治療薬など）の服用は避ける必要があります。診察を受ける際は、必ずこの病気であることを医療機関に伝えることが大切です。

機械を植え込む治療

• 植え込み型除細動器（ICD）：薬物治療で症状が十分に抑えられない場合や、過去に心停止や失神を経験している高リスクの場合に検討されます。胸に小さな機械を植え込み、危険な不整脈が発生した際に自動で電気ショックを与え、正常なリズムに戻します。
• ペースメーカー：心拍数が異常に遅くなることで症状が悪化する特定のケースで、心拍を維持するために植込まれることがあります。