自己免疫性脳炎ではどのような症状がありますか?
もの忘れ、幻覚などの精神症状、けいれん、意識障害などが、3ヶ月以内に急に現れて進みます。
自己免疫性脳炎の症状を、多くの場合にみられる症状と、病気の種類ごとの特徴に分けて説明します。
自己免疫性脳炎の主な症状
自己免疫性脳炎では、急に、または3ヶ月以内に、次のような症状が現れて進みます。
症状は変動しやすいのが特徴です。急性期には意識障害やけいれんがみられ、時にけいれんが止まらない状態(重積状態)になったり、昏睡に至ったりする場合もあります。
抗NMDA受容体脳炎でみられる症状の経過
日本で最も多い抗NMDA受容体脳炎では、症状が段階的に進むことが知られています。
- はじめに、風邪のような症状(前駆症状)が出る
- 続いて、抑うつや興奮、幻覚・妄想など、急に発症した統合失調症に似た精神症状が出る
- その後、意識障害、頻回のけいれん、顔や手足が勝手に動く不随意運動が出る
- 呼吸が弱くなるほか、汗の異常、腸の動きの低下、血圧の変動、よだれが増える、体温の調節がうまくいかないなどの自律神経症状が出る
ひとつの施設で抗体が確認された日本の患者さん41人を調べた報告では、前駆症状が78%、精神症状が90%、意識障害が93%、けいれんが90%、不随意運動が71%、自律神経症状と呼吸の障害がそれぞれ59%の人にみられました。患者さんの78%は女性で、発症年齢の平均は28.7歳でした。また、約7割は集中治療室での治療が必要とされています(厚生労働省)。
そのほかの自己免疫性脳炎でみられる症状
抗LGI1抗体が関わる脳炎では、顔と腕の同じ側が一瞬こわばるような発作が、1日50回に及ぶほど頻回に起こることがあります(顔面上肢ジストニー発作)。
抗LGI1抗体を主な原因とする抗VGKC複合体抗体関連の脳炎では、もの忘れやてんかん発作、性格の変化が亜急性に進み、数ヶ月から数年にわたって経過することがあります。
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(参考文献)
日本小児神経学会.“101 自己免疫介在性脳炎・脳症 概要”.小児慢性特定疾病情報センター.https://www.shouman.jp/disease/details/11_40_101/,(参照 2026-10-26).
厚生労働省.“第54回指定難病検討委員会 資料1-2「NMDA受容体抗体脳炎(個票)」”..https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001200184.pdf,(参照 2026-10-26).
田中惠子. NMDA受容体脳炎日本人患者の臨床的特徴および抗体による病態モデル. 臨床神経学. 2012, 52, 985-987.
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やよい在宅クリニック 脳神経内科
武井 悠香子 監修
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