自己免疫介在性脳炎・脳症が疑われる場合、病院を受診する目安はありますか?
急な精神症状やもの忘れ、けいれん、意識の変化が現れた場合は、早めの受診をご検討ください。
自己免疫介在性脳炎・脳症が疑われるときの受診の目安と、診療を行う主な診療科について説明します。
早めの受診を検討したい症状
次のような症状が急に現れた場合は、早めに医療機関への受診をご検討ください。
- 幻覚や妄想、急な性格の変化など、これまでにない精神症状
- もの覚えが急に悪くなった
- てんかん発作(けいれん)が起きた
- 早口になる、口数が減る、話さなくなるなどの言葉の障害
- 顔や手足が勝手に動く
- 呼吸が弱くなる、自律神経の働きが乱れる
- ぼんやりしている、呼びかけへの反応が鈍いなどの意識の変化
抗NMDA受容体脳炎では、こうした症状が3ヶ月以内に急速に進むとされています(厚生労働省)。
特に、風邪のような症状のあとにこれらが出た場合は注意が必要です。また、抗NMDA受容体脳炎では、原因のわからない発熱と頭痛が出た若い女性で、発症から1週間以内に精神症状が出ないか注意する必要があるとされています。
早い段階での治療が大切な理由
抗NMDA受容体脳炎など、神経細胞の表面に対する抗体が関わる脳炎は、発症早期から免疫療法を始めることが求められる病気です。こうした脳炎では、発熱や意識障害、頭部MRIの異常などが必ずしもみられないため、熱がない、画像に異常がないという理由だけでは否定できません。
重症になると、意識障害やけいれんが続いたり、呼吸が弱くなったりすることがあります。日本で最も多い抗NMDA受容体脳炎では、約7割が集中治療室での治療を必要とし、急性期に呼吸不全で亡くなる場合もあるとされています(厚生労働省)。
症状が短い期間で進んでいる場合や、意識がはっきりしない場合は、様子を見ずに早めに医療機関への受診をご検討ください。
診療を行う主な診療科
日本で最も多い抗NMDA受容体脳炎の全国調査では、診療を行っていた主な診療科は、脳神経内科が71%、小児科が21%、精神科が5%でした(厚生労働省研究班)。この調査は、神経内科・小児神経の専門医や、総合病院の精神科の専門家が勤務する施設、医学部付属病院の精神科などを対象に行われたものです。
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(参考文献)
飯塚高浩. 自己免疫性脳炎およびその類縁疾患における最近の進歩. 臨床神経学. 2019, 59, 491-501.
厚生労働省.“第54回指定難病検討委員会 資料1-2「NMDA受容体抗体脳炎(個票)」”..https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001200184.pdf,(参照 2026-10-26).
河内 泉 ほか.“NMDA受容体抗体脳炎に関する一次調査及び二次調査結果”.厚生労働科学研究成果データベース.https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202310038A-buntan10.pdf,(参照 2026-10-26).
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やよい在宅クリニック 脳神経内科
武井 悠香子 監修
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