糖尿病の代表的な薬は何ですか?
現在、飲み薬が8種類、注射薬が3種類あります。患者さんの状態により使うお薬は変わりますが、国際的に第一選択薬とされているのはメトホルミンです。
現在、飲み薬は8種類、注射薬は3種類あります。
これらの薬は、インスリンの効果を向上させる薬、膵臓のインスリン分泌を刺激する薬、余分な糖を尿として排出する薬、腸からの糖の吸収を抑える薬、そして不足したインスリンを補う薬などに分類されます。
患者さんの状態によって、使用する薬は異なりますが、国際的にはメトホルミンが第一選択薬とされています。
血糖値を下げる薬
ビグアナイド
肝臓や筋肉に作用して、インスリンの効きを良くします。主な副作用は下痢があります。腎臓が悪い人では重篤な副作用に乳酸アシドーシスがあります。
チアゾリジン
肝臓や筋肉に作用して、インスリンの効きを良くします。むくみや体重が増えるといった副作用があります。
グリニド系
インスリンの分泌を短い間(3〜4時間)増やし、食後の血糖を下げます。低血糖に注意が必要です。
スルホニルウレア剤(SU)
インスリン分泌を長い間(12~24時間以上)強力に増やし、持続的に血糖を下げます。重い低血糖に注意が必要です。
DPP-4阻害薬
腸から出るインクレチンというホルモンの関連薬です。血糖値が高いときだけインスリン分泌を増やすため、低血糖を起こしにくいという特徴があります。関節痛や皮膚疾患などが副作用として見られます。
SGLT2阻害薬
腎臓から糖が再吸収されないようにし、糖を尿に排出します。腎臓病や心臓病にも良い効果があります。主な副作用は頻尿や尿路感染症です。
αグルコシダーゼ阻害薬
腸から糖が吸収されるのを遅らせて、食後の血糖を下げます。主な副作用はお腹が張る、おなら、腹痛・下痢などです。
テトラヒドロトリアジン系薬
ミトコンドリアに作用してインスリンの効きを良くし、さらにインスリン分泌も増やします。主な副作用は吐き気などです。
主な注射薬
インスリン
血糖値を下げるインスリンホルモンを注射で補います。1型糖尿病の方、2型糖尿病で膵臓が弱りインスリンの出が悪い方、異常な高血糖で緊急に血糖値を下げる必要がある方、腎臓や肝臓が悪く内服薬を使えない方、妊婦さんはインスリン療法を行います。低血糖に注意が必要です。
GLP-1受容体作動薬
腸から出るインクレチンというホルモンの関連薬です。食欲を抑え、肥満を改善させます。腎臓や心臓を護る多面的な効果があります。主な副作用は嘔吐・下痢などです。
GLP-1/GIP受容体作動薬
腸から出るインクレチンというホルモンの関連薬です。GLP-1とGIPという2つのホルモンでGLP-1受容体作動薬よりも強力な血糖降下作用・体重減少作用が見られます。食欲を抑え、肥満を改善させます。心血管系に良い効果があるとされています。主な副作用は嘔吐・下痢などです。
公開日:
最終更新日:
医療法人社団メレガリ うるうクリニック関内馬車道 糖尿病・内分泌科
濵﨑 秀崇 監修
(参考文献)
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