無痛分娩とはなんですか?

無痛分娩は、麻酔で出産時の痛みを和らげ、産後の回復促進なども期待される方法ですが、リスクも伴います。

解説

無痛分娩とは、出産時の陣痛の痛みを和らげるために麻酔を使用する分娩方法です。主に「硬膜外(こうまくがい)鎮痛法」という技術が用いられます。

硬膜外鎮痛法とは、無痛分娩のときだけではなく、手術や手術後の痛み止めの目的で日常的に使われている方法です。背骨にある硬膜外腔(こうまくがいくう)という部位に、細くて柔らかい管を入れ、その管から薬を注入して痛みをとります。
硬膜外鎮痛法を説明する図です
なお、血液が固まりにくい方、背骨の強い変形や神経の病気がある方、著しい脱水がある方など、硬膜外鎮痛を行えない方もいらっしゃいます。

主なメリットとリスクは次の通りです。

メリット

  • 出産時の痛みが軽くなり、疲労の軽減や産後の早めの回復が期待されます
  • 心臓や肺の調子が悪い妊婦さんの、呼吸の負担を和らげ、体の負担を軽くします
  • 血圧が高めの妊婦さんの、血圧の上昇を抑えることができます

リスク

  • よく起こる副作用として、足の力が入りにくくなる、血圧低下、排尿感の低下、体温上昇などがあります。まれな合併症として、意識障害呼吸困難などがあります
  • 手技や麻酔薬の影響で強い頭痛が発生する場合があります
  • 陣痛促進剤の使用が必要になる場合があります

無痛分娩は増加傾向にあります。日本全国におけるすべての分娩のうち無痛分娩の割合は、2018年は約5%でしたが、2023年には約12%と増加していました。ただし地域ごとに偏りがあり、東京が最も高く2023年で約30%に迫っており、次いで神奈川、熊本、千葉が約20%でした。

メリットとリスクの両方を理解し、医師と十分に相談したうえで、分娩方法を選択することが大切です。

公開日

最終更新日

Ubie株式会社 産婦人科

金沢 誠司 監修

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(参考文献)

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