不良肉芽の場合、主にどのような治療をしますか?
不良肉芽は、感染制御と不要な組織除去(デブリードマン)、創面環境調整が基本です。
【不良肉芽の特徴と治療の目標】
不良肉芽(もろい肉芽組織)は、多くの場合、感染を伴っています。見た目は表面が粗く淡紅色や暗赤色で、増殖力が低下した結合組織(肉芽)の外観を呈し、触れるとすぐ崩れて出血するような脆弱な組織であることが特徴です。 不良肉芽は創傷治癒を妨げるため、治療では創面環境調整(キズを治しやすい環境に整えること)を行います。
【主な治療法】
治療は、不良肉芽の原因となっている感染と不良組織の除去が中心となります。
1. 組織の除去(デブリードマン)
- 感染を制御し、治癒を促進するため、不良肉芽や壊死組織、膿苔(うみのようなもの)などを連日除去することが有効です。
2. 感染の制御
- 洗浄: 創部についた細菌の数を減らすために、洗浄は必須の処置です。
- 抗菌処置: 銀やヨウ素などの抗菌剤が入った軟膏や創傷被覆材を使って、細菌の増殖を抑え、治癒を促します。
3. 環境の調整と再建
- 肉芽が水ぶくれのように腫れている(浮腫状)場合や滲出液(しる)が多い場合は、水分を吸い取る力のある軟膏(吸水性基剤を含む軟膏)を選びます。
- 感染が制御され創面がきれいになったら、局所陰圧閉鎖療法(NPWT)を用いて肉芽形成を促すことが有効な場合もあります。
- 不良肉芽の状態が改善しない場合は、その上に皮膚移植(植皮術)をしても生着しないため、再度デブリードマンを行うか、筋皮弁などによる再建手術を検討します。
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(参考文献)
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日本医科大学付属病院形成外科 形成外科
初岡 佑一 監修
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