片頭痛の診断基準を教えてください。
頭痛が4~72時間続くこと、頭痛とともに吐き気などの症状が現れるかなどが診断のポイントとなります。
片頭痛の診断は、国際頭痛分類(以下)に従って行われます。
頭痛は、前兆症状の有無によって、前兆のない片頭痛と前兆のある片頭痛に分けられます。
前兆症状は、閃輝暗転(キラキラした光、ギザギザした光が視界に現れ、目が見えづらくなる症状)、チクチクする、感覚が鈍くなるといった感覚症状、言葉が出にくくなるといった言語症状などで、これが5~60分起きたあとに頭痛が始まります。
日本での年間片頭痛有病率は8.4%で、この中で、前兆のない片頭痛は5.8%、前兆のある片頭痛は2.6%です。
前兆のない片頭痛の診断基準(国際頭痛分類 第3版)
- A. B~Dを満たす頭痛発作が5回以上ある
- B. 頭痛発作の持続時間は4~72時間(未治療もしくは治療が無効の場合)
- C. 頭痛は以下の4つの特徴の少なくとも2項目を満たす
① 片側性
② 拍動性
③ 中等度~重度の頭痛
④ 日常的な動作(歩行や階段上り下り)などにより頭痛が悪化する。あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける
- D. 頭痛発作中に少なくとも以下の1項目をみたす
① 悪心または嘔吐(あるいはその両方)
② 光過敏および音過敏
- E. ほかに最適な国際頭痛分類第3版での診断がない
前兆のある片頭痛の診断基準(国際頭痛分類 第3版)
- A. BおよびCを満たす頭痛発作が2回以上ある
- B.以下の完全可逆前兆症状がひとつ以上ある
①視覚症状
②感覚症状
③言語症状
④運動症状
⑤脳幹症状
⑥網膜症状
- C. 頭痛は以下の6つの特徴の少なくとも3項目を満たす
① 少なくともひとつの前兆症状は5分以上かけて徐々に進展する
② 2つ以上の前兆が引き続き生じる
③ それぞれの前兆症状は5~60分持続する
④ 少なくともひとつの前兆症状は片側性である
⑤ 少なくともひとつの前兆症状は陽性症状である
⑥ 前兆に伴って、あるいは前兆出現後60分以内に頭痛が発現する
- D. ほかに最適な国際頭痛分類第3版での診断がない
東京頭痛クリニック 脳神経内科
越智 佳奈 監修
(参考文献)
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