インフルエンザA(H3N2)の「サブクレードK変異株」は、これまでのタイプとどのような違いがあるのでしょうか?

遺伝的な変異を持ち、今季のワクチン株に対する抗体の反応が低下している点が異なります。

A(H3N2)の「サブクレードK変異株」、つまり、A型インフルエンザのKという種類の変異ウイルス(以前はJ.2.4.1と呼ばれていました)は、2025年から2026年の冬に、一番広がるだろうと言われているウイルスです。報告されている主なポイントを、以下にまとめます。

サブクレードK変異株の主なポイント

  • ウイルスの設計図が変わった:これまでのインフルエンザウイルスとは違う、T135KやK189Rといったいくつかの特別な変化(遺伝子変異)を持っています。
  • ワクチンが効きにくいおそれ:今年のインフルエンザワクチン(北半球向け)で体に作られる「ウイルスと戦う力(抗体)」が、この新しいウイルスには、あまり効かないことが研究室での詳しい調べでわかっています。
  • 流行の早さ:この新しいウイルスが出てきたせいで、イギリスでは、2003年から2004年の冬以来というくらい早く、10月ごろからインフルエンザが本格的に広がり始めました。

つまり、ワクチンを作るためにウイルスを選んだ時よりも、予想以上にウイルスがどんどん変化していて、これまでの体の防御システム(免疫)では、見つけにくくなっているウイルスだと言えます。

なお、感染が拡⼤するスピードは早いのですが、症状や重症度は従来の季節性インフルエンザと⼤きく変わらないと想定されています。

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東日本橋内科クリニック 一般内科

平松 由布季 監修

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