ステージIVの尿路上皮癌(膀胱がん、腎盂がん、尿管がん、尿道尿路上皮癌)の一次治療で、副作用を減らすための工夫はありますか?
効果を維持しつつ副作用を軽減するために、治療薬の種類や量を工夫することなどができます。
ステージⅣの尿路上皮癌に対する一次療法(最初に行う治療法)は、近年たくさん増えており、それぞれの治療法において副作用を減らすための工夫があります。
ステージⅣの尿路上皮癌に対して行う標準的な治療法
期待される治療の効果と懸念される副作用の強さを考慮して、患者さんに合わせて以下のような治療法を使用することがあります。(2026年2月時点)
- エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ療法
- ゲムシタビン+シスプラチン+ニボルマブ療法
- ゲムシタビン+シスプラチン(カルボプラチン)療法・(DD)-MVAC療法 +アベルマブ維持療法
- ゲムシタビン+シスプラチン(カルボプラチン)療法または(DD)-MVAC療法
- ぺムブロリズマブ単剤療法
- その他の方法
主な副作用と対策
上記の治療法で起こりやすい副作用には、吐き気、食欲の低下、手足のしびれ(末梢神経障害)、皮膚の発疹、血糖値の上昇、下痢などがあります。定期的な血液検査や診察で早めに見つけて対処することが大切です。また、副作用がつらい場合には、お薬の量を減らしたり、一時的にお休みしたりすることで症状が改善することもあります。ぺムブロリズマブやニボルマブ、アベルマブなどの免疫チェックポイント阻害薬では、まれに間質性肺炎(肺に炎症が起きる状態)や甲状腺の異常なども起こることがあります。息苦しさや空咳、強い倦怠感などふだんと違う症状を感じたら、次の診察を待たずに早めに主治医や医療スタッフに相談しましょう。
化学療法などを使用した後は白血球が下がることが予想されることもあり、その際にひどい感染症にかからないように白血球を増やすお薬(G-CSF製剤など)をあらかじめ使用することもあります。
日常生活での工夫
治療中は、手足の保湿や日焼け止めの使用で皮膚トラブルを予防できることがあります。また、しびれの悪化を防ぐために手足を冷やしすぎないよう注意することも大切です。食事や水分をしっかりとり、体調の変化を感じたら我慢せず早めに伝えることが、副作用を軽くするために大切です。
【それぞれの治療法の特徴】
エンホルツマブベドチン+ペムブロリズマブ療法
尿路上皮癌に特異的に抗がん剤を届けるエンホルツマブべドチンと、免疫チェックポイント阻害薬のペンブロリズマブを使用する方法です。
シスプラチンなどの化学療法のお薬を使わない方法なので、化学療法特有の副作用(強い吐き気、腎障害など)をやや避けることができますが、皮膚障害など別の副作用への注意は必要です。手足の保湿などを意識して行っていただきます。
ゲムシタビン+シスプラチン(カルボプラチン)療法や(DD)-MVAC療法
従来からある化学療法です。全身に抗がん剤が効くため、腎臓の機能などが低下することもあります。そのため、副作用対策としては、患者さんのカラダの大きさ、体重、腎機能に合わせて、お薬の量を調整し、特に腎機能が低下している方には、シスプラチンの代わりにカルボプラチンというお薬を使用します。また、吐き気対策として、吐き気止めを使用することや手足の保湿、しびれ対策に手足を冷やし過ぎないようにすることも大切です。白血球が下がり過ぎないように、白血球を増やすG-CSF製剤を使用することもあります。
ゲムシタビン+シスプラチン+ニボルマブ療法
ゲムシタビン+シスプラチンに加え、免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブを使用する方法です。ゲムシタビン+シスプラチンの投与する回数をあらかじめ決め、それらの投与が終了した後にニボルマブだけ継続する方法です。免疫チェックポイント阻害薬の副作用には注意が必要ですが、化学療法を一旦辞められるため、化学療法の副作用が減ることがあります。
ゲムシタビン+シスプラチン(カルボプラチン)療法・(DD)-MVAC療法 +アベルマブ維持療法
ゲムシタビン+シスプラチン(カルボプラチン)療法・(DD)-MVAC療法などの化学療法で効果があった場合に、その効果を維持する目的で、アベルマブという免疫チェックポイント阻害薬に切り替える方法です。免疫チェックポイント阻害薬の副作用には注意が必要ですが、化学療法を一旦辞められるため、化学療法の副作用が減ることがあります。
ぺムブロリズマブ単剤療法
ゲムシタビン+シスプラチン(カルボプラチン)やエンホルツマブべドチンが使用できない場合に使用する方法です。化学療法を使用しないため、一般的な化学療法の副作用(腎機能低下、吐き気、脱毛など)は起きにくいですが、免疫チェックポイント阻害薬の副作用に注意が必要です。なにか体に異常があった際は、早めに担当医に相談することが大切です。
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(参考文献)
日本泌尿器科学会.“腎盂・尿管癌診療ガイドライン 2023年版”.医学図書出版.https://igakutosho.co.jp/products/ur_054,(参照 2026-02-18).
日本泌尿器科学会.“膀胱癌診療ガイドライン2019 年版[増補版]”.医学図書出版.https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/guidelinelist230906.pdf,(参照 2026-02-18).
Yandong Xie et al.“First-line systemic therapy in patients with metastatic or locally advanced urothelial carcinoma: a systematic review and network meta-analysis of randomized controlled trials”.National Library of Medicine.https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40718544/,(参照 2026-02-18).
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東京大学大学院医学系研究科 泌尿器外科学 泌尿器科
秋元 隆宏 監修
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