慢性リンパ性白血病の治療薬にはどのようなものがありますか?
慢性リンパ性白血病の治療薬には、BTK阻害薬、FCR療法、BCL2阻害薬が使用されます。
慢性リンパ性白血病(CLL)の初回治療として、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬イブルチニブもしくはアカラブルチニブ(±オビヌツズマブ:CD20抗体薬)療法が推奨されます。
BTK阻害薬は、これまで予後不良因子と考えられていた染色体異常(17p欠失)もしくは遺伝子変異(TP53変異)があるCLLにも有効で、高齢者でも副作用が少ないため、17p欠失もしくはTP53変異の有無や年齢にかかわらず初回治療として推奨されます。
以前、若年のCLL患者さんに推奨されていたFCR療法(フルダラビン、シクロホスファミド、リツキシマブ)は、イブルチニブとの比較試験で治療成績が劣ることが確認されており、現在はCLLに対する初回治療として推奨されませんが、17p欠失がなくIGHV遺伝子変異のあるCLL患者さんではイブルチニブと同等の効果が得られる可能性があり、初回治療としてFCR療法は選択肢のひとつになります。
再発CLLに対する治療は、初回にBTK阻害薬が使用されて抵抗性になった場合、BCL2阻害薬であるベネトクラクスとリツキシマブの併用療法が推奨されます。
このように患者さんによって使用する薬剤や、その副作用などについてさまざまですので、治療内容について担当医によく確認するようにしてください。
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最終更新日:
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
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