高齢者の場合、ホジキンリンパ腫を治療しないことはありますか?
高齢者の場合、体調や希望によりホジキンリンパ腫の治療を行わない選択がされることがあります。
高齢者の場合、ホジキンリンパ腫を治療しないことはありえます。
新たに診断された高齢ホジキンリンパ腫患者さんの治療目標は、可能な限り根治であり、複数の研究から得られている結果によると、いくつかの多剤併用化学療法(複数抗がん剤を組み合わせた治療法)を用いることで、すべての病期において根治が可能であることが示されています。
例えば、高齢者では標準的な化学療法であるABVD療法に含まれるブレオマイシンという薬剤による肺毒性が高いことから、この薬剤を除いたAVD療法にブレンツキシマブ ベドチン(BV)を併用という選択肢もありえます。
一方で、ノルウェーの高齢ホジキンリンパ腫患者さんの研究では、60歳以上の患者さんにおいて32%が治療を受けなかったという報告があります。
これらの患者さんには、ご本人の意向による場合、心不全、腎不全、認知症など、化学療法に耐えられないと判断される場合、治療による延命よりもQOL(生活の質)が低下するリスクが高いと考えられる場合などがあり、痛みの治療や症状緩和が中心となります。
東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター 悪性腫瘍治療研究部 腫瘍 血液内科
村橋 睦了 監修
(参考文献)
日本血液学会.ホーム|造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)|一般社団法人 日本血液学会.日本血液学会,URL:http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/2_10.html(参照 2025-05-02)
日本臨床腫瘍学会. 新臨床腫瘍学 改訂第7版 pp.621~629. 南江堂. 2024
Sven Borchmann et al. Hodgkin lymphoma in elderly patients. Curr Opin Oncol. 2018, 30, 308-316.
Lia K, et al.. Overall survival and causes of death in elderly patients with Hodgkin lymphoma—a Norwegian population-based case-control study. Hematol Oncol. 2023, 41, 370-371.
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