深部静脈血栓症
「深部静脈血栓症」とは、深部静脈という足の血管で血液が固まり、血栓ができる病気です。症状には足の痛みやむくみ、皮膚の暗赤色化があります。悪化すると血栓が流れて肺動脈で詰まり、肺血栓塞栓症という合併症が起こる可能性があるため、これらの症状がみられる場合には速やかに循環器内科を受診しましょう。
おだかクリニック 循環器内科 副院長
小鷹 悠二 監修
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もっと見る病気について
「深部静脈」と呼ばれる太い血管の中で血液が固まり、血栓ができる病気です。
血管の壁に異常がある・血液が固まりやすい・長時間手足を動かさないことで血流が淀むことが原因になります。
深部静脈にできた血栓が血流に乗って流れ、肺動脈に詰まる病気です。
血流が停滞しやすい状態や、血液が固まりやすい状態となっている人がなりやすいです。
積極的な歩行、入院中などでは早期のベッドからの離床、日常的な運動が推奨されます。
頻度は圧倒的に下肢に多いですが、特殊な病態の場合には上肢にできることもあります。
基本的には自然に溶けることはほとんどありません。適切な治療が必要です。
全身麻酔により同一姿勢で動かない時間が長いこと、術後の安静時間が長くなることなどが原因となります。
適切に投薬治療や理学療法などの治療を行うことで、治癒は可能な病気です。
深部静脈血栓症による症状のこともありますが、それ以外の病気で現れることもあります。
ふくらはぎの筋肉内を走行する一部の深部静脈をヒラメ静脈と呼び、深部静脈血栓の起こりやすい部位です。
肺血栓塞栓症に陥ると、死亡率は約10~30%ほどになります。
深部静脈血栓症を放置すると、肺塞栓や足の壊死を引き起こし、命に関わることがあります。
深部静脈血栓症と下肢静脈血栓症はほとんど同じ意味です。
Dダイマーは血栓が溶けると出る物質で、深部静脈血栓症の診断に用いる採血検査の項目のひとつです。
Dダイマーが高いと深部静脈血栓症の可能性がありますが、他の病気でも上昇するため、追加検査が必要です。
長時間の安静や激しい運動を避け、適切な圧迫療法を行うことが重要です。
目で見てわかるような深部静脈血栓症はありませんので、可能性は低いでしょう。
深部静脈に血栓ができることで血液の流れが滞るため、むくみが現れます。
深部静脈血栓症に対する標準治療として、弾性ストッキングの使用が推奨されています。
深部静脈血栓を直接評価するものではありませんが、動脈の血流障害の有無を評価することができます。
高齢となって活動量が減ることや、合併症が多くなることがきっかけとなります。
肺血栓塞栓症などの重症となる危険がある合併症を引き起こす危険があります。
深部静脈血栓症を発症した患者さんの約半数で肺血栓塞栓症を生じていたとする報告があります。
発症初期には足の腫れ、痛み、皮膚の色の変化が起こりますが、無症状のことも多いです。
深部静脈血栓によって引き起こされる肺血栓塞栓症の俗称をエコノミー症候群と呼びます。
片足に限定した腫れが出現した際には、可能性はあります。
発症の早めに急激な運動は推奨されませんが、適切な程度の運動は強く推奨されます。
過度の安静や長期間の足の固定、長時間の移動などの際に起こりやすいです。
高血圧が直接的に引き起こすわけではありませんが、動脈硬化の悪化など、間接的に関連しています。
左腸骨静脈が右腸骨動脈の後方を走行しするため、動脈による圧迫を受けやすいためです。
発症早期から、過度のベット上安静を避け、早期の離床・歩行が推奨されます。
肺血栓塞栓症など重症化する、危険な合併症を引き起こす危険があります。
症状について
発症初期には足の腫れ、痛み、皮膚の色の変化が起こりますが、無症状のことも多いです。
解説文中の項目に複数当てはまれば深部静脈血栓症の可能性が高いです。症状検索エンジン「ユビー」でもセルフチェックができます。
深部静脈血栓症の末期症状には、肺塞栓や足の壊死を引き起こし、命に関わることがあります。
血栓ができた部位の炎症による痛みと、腫れによる痛みがあります。
足首だけに出ることはまれですが、下肢全体が腫れることで足首が腫れることはあります。
治療について
受診について
検査について
薬について
抗凝固薬などの血栓を溶かす薬剤を用いて治療を行います。
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