成人スティル病の症状は?成人スティル病
監修医師栗原 信吾北水会記念病院 整形外科
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03
成人スティル病とは
39度を超える発熱や皮膚の発疹、のどの痛み、関節の痛みを起こす病気です。マクロファージ活性化症候群などの生命にかかわる状態を起こすこともあります。
「成人スティル病」とはどのような病気ですか?
成人スティル病は全身性の炎症疾患で、国の指定難病のひとつです。
成人スティル病は、
- 39℃を超えるスパイク状の発熱(39℃超が1日中続くのではなく、1日に何回か生じる)
- 多発関節炎
- かゆみを伴わない皮疹
を特徴とする全身性炎症疾患で、国の指定難病のひとつです。
もともとは、小児の慢性関節炎としてスティル医師により報告され、 若年性関節リウマチとも呼ばれていました。のちに、成人でも同様に発熱や皮疹を伴うリウマトイド因子陰性の多発関節炎が報告され、これを成人発症スティル病と呼びました。
今では、若年性特発性関節炎(全身型)の成人移行例と成人発症スティル病を併せて、成人スティル病と呼んでいます。
成人スティル病の症状
成人スティル病には初期症状はありますか?
発熱と関節痛はほとんどの患者さんに見られる症状です。
成人スティル病は、
- 39℃を超えるスパイク状の発熱(39℃超が1日中続くのではなく、1日に何回か生じる)
- 多発関節炎
- かゆみを伴わない皮疹
などが現れることが特徴です。ただし、患者さんの全員にすべての症状が現れるわけではありません。
日本の成人スティル病の患者さんの疫学調査でも、発熱と関節痛が8~9割、皮疹や喉の痛みが6割前後、リンパ節が腫れが4割程の患者さんに見られることが報告されています。
成人スティル病ではどのような症状がありますか?
39℃を超えるスパイク状の発熱、関節痛、喉の痛み、リンパ節の腫れなどがみられます。
成人スティル病で見られる特徴的な症状として、
- 39℃を超えるスパイク状の発熱(39℃超が1日中続くのではなく、1日に何回か生じる)、
- 多発関節炎
- かゆみを伴わない皮疹
などが挙げられます。
日本の成人スティル病の患者さんの疫学調査でも、発熱と関節痛が8~9割、皮疹や喉の痛みが6割前後、リンパ節の腫れが4割程の患者さんに見られることが報告されています。これらの症状は、最も有名な診断基準にも含まれています。
なお、関節炎は骨の強直やびらんという変化が見られる場合があり、関節リウマチなどの他の膠原病の関節炎との区別が難しいことがあります。
成人スティル病の検査・診断
成人スティル病のセルフチェックはできますか?
解説欄のチェック項目をご確認いただくか、症状検索エンジン「ユビー」で質問に答えるだけでセルフチェックもできます。
成人スティル病をセルフチェックにより疑うことは、ある程度可能です。
以下のような症状が複数出現している場合には、成人スティル病も疑われます。
など
ただし、成人スティル病の確定診断には他の病気も否定する必要があり、血液検査も必要です。これらの症状があれば、内科、膠原病内科、リウマチ科、アレルギー科の医師に相談してください。
成人スティル病の治療・対処法
成人スティル病への対処法は?
経過によっては生命にかかわる病気です。必ず専門の医療機関を受診してください。
成人スティル病は完治する疾患ですか?
病気を抑え込んだ状態である「寛解」という状態に至らせ、維持することは可能です。
膠原病では完治という言葉はあまり使わず、病気を抑え込んだ状態である「寛解」という言葉を使います。
成人スティル病を適切に治療することにより、寛解に至らせること、寛解を維持することは可能です。ただし、最初の治療だけで薬を使わず寛解を維持できる患者さんもいれば、薬を使いながらであれば維持できる患者さんもいるというように、患者さんによってさまざまです。
なお、寛解に至らない患者さんや、残念ながら再燃してしまう患者さんもいます。
成人スティル病の場合、主にどのような治療をしますか?
成人スティル病は、主にステロイドで治療します。ステロイドで十分な効果が得られない場合は、他の免疫抑制薬や生物学的製剤も使用します。
成人スティル病の治療の中心は、ステロイドの全身投与です。
重篤な臓器病変がある場合には、大量のステロイドを点滴投与するステロイドパルス療法を行うこともあります。ただし、用量を減らすと再燃してしまうため、ステロイドをやめられない状態に陥る人も4割程度いるとされます。
また、 ステロイドだけでは改善が得られない方もいます。その場合には、メトトレキサートを併用することで改善が得られる例があります。
それでも治療効果が得られない場合は、治療抵抗性の成人スティル病と考えられ、生物学的製剤が必要となる場合があります。日本では、抗IL-6受容体阻害薬であるトシリズマブというお薬が保険適応されています。
受診の目安・何科を受診するべきか
成人スティル病の専門医がいる近くの病院はありますか?
成人スティル病の専門医がいる病院を見る成人スティル病の薬
成人スティル病は主にどのような薬で治療しますか?副作用はありますか?
主にステロイドで治療します。ステロイドでは感染症をはじめ、さまざまな副作用があります。
ステロイドによる治療
成人スティル病の治療は、ステロイドによる治療が基本になります。
なお、副作用は成人スティル病に用いるお薬だけではなく、すべてのお薬に存在します。ステロイドは炎症を抑えるよい薬ですが、長期に使用すると感染症にかかりやすくなったり、骨粗鬆症、糖尿病、胃潰瘍、肥満、高血圧などの副作用が問題になります。適切な減量が必要で、そのために他の免疫抑制薬の併用が必要となる場合があります。
メトトレキサート
ステロイドだけでは改善が得られない場合には、メトトレキサートを使用することがあります。
関節リウマチにも使用される薬ですが、血球減少、間質性肺炎、感染症、口内炎や嘔気などの消化管障害、肝障害、リンパ腫などの副作用が知られており、定期的な通院によるモニタリングが必要です。
トシリズマブ
ステロイドと免疫抑制剤でもなかなか改善しない(治療抵抗性)場合は、生物学的製剤であるトシリズマブが使用できます。
日本で行われた二重盲検試験では、トシリズマブを全例に使用した時期に、発疹、アナフィラキシーショック、Infusion reaction(薬が点滴で入ったときにおこる、アレルギーに似た反応)というアレルギー様の症状が現れる可能性が高かったと報告されています。
また、薬の特性上、炎症のマーカーであるCRPの上昇が抑制され、感染症の発見が遅れる場合があります。腹部症状も抑えられるため、腸管の症状の発見が遅れる場合があります。定期的な通院によるモニタリングが必要です。
参考文献
日本リウマチ学会.“日本リウマチ学会HP 一般のみなさま「副腎皮質ステロイド」”.日本リウマチ学会.https://www.ryumachi-jp.com/general/casebook/fukujinhishitsusteroid/,(参照 2024-04-05).
日本リウマチ学会MTX診療ガイドライン小委員会. 関節リウマチにおけるメトトレキサート使用と診療の手引き2023年版. 羊土社. 2023
Kaneko Y, et al. Ann Rheum Dis. 2018, 77, 1720-1729.
中外製薬株式会社.“アクテムラ点滴静注用80mg/200mg/400mg”.中外製薬株式会社.https://chugai-pharm.jp/content/dam/chugai/product/act/div/pi/doc/act_pi.pdf,(参照 2024-04-05).
対処法・セルフケア
成人スティル病で薬が効かない場合、どうしたらよいですか?
ステロイドが効かない場合は免疫抑制剤を併用します。それもなかなか効かない場合は、生物学的製剤の注射など検討します。
成人スティル病の治療の中心は、ステロイドの全身投与です。
ステロイドが効かない場合は、メトトレキサートなどの免疫抑制薬を併用することがあります。
ステロイドと免疫抑制剤でもなかなか改善しない(治療抵抗性)場合は、生物学的製剤が必要となる場合があります。日本では抗IL-6受容体阻害薬であるトシリズマブが保険適応されています。ただし、重篤な副作用もありますし、使用できない患者さんもいますので、リウマチ専門医の診察が必要です。主治医と相談してください。
成人スティル病に関連するその他の質問
成人スティル病では仕事に復帰できますか?
患者さんの病状によって判断が異なるため、まずは主治医にご相談ください
成人スティル病の方が仕事に復帰できるようになるかは、患者さんの病状や経過などによってさまざまです。
適切な治療によって症状が落ち着く場合には、仕事への復帰も考えられますが、場合によっては重い合併症が現れることもあります。
個別のケースで判断は異なりますので、まずは主治医の先生にご相談ください。
一般的には、約30%の患者さんは、病気が起こっても、その後落ち着けば再発がないとされています。
その他の患者さんは、治療を継続して症状が落ち着いた状態を維持することが重要と考えられます。
一方、頻度は高くありませんが、播種性血管内凝固やマクロファージ活性化症候群、血球貪食症候群といった命に関わる重篤な合併症が現れることがあり、10~15%程度でこれらの病気が合併することがあります。
成人スティル病はストレスとなにか関連はありますか?
成人スティル病とストレスとの関連については、現時点では不明です。
成人スティル病とストレスとの関連は、不明です。
多くの場合、成人スティル病の発症原因は不明です。ウイルスの感染やワクチンなどがきっかけになって発症する人もいますが、ストレスが原因で発症したという報告はありません。
逆に、 成人スティル病の薬の副作用で不眠などの副作用が出て、ストレスを感じることもあります。このような場合は、医師や薬剤師へご相談ください。お薬による副作用を考慮しながら、治療を継続できるよう検討します。
成人スティル病では医療費がどのくらいかかりますか?助成は受けられますか?
医療費はケースにより異なりますが、国の指定難病のひとつであるため助成申請が可能です。
成人スティル病で必要となる医療費は、患者さんの病状などにより異なるため、一概に回答することは困難です。
助成に関しては、成人スティル病は国の指定難病のひとつであるため、医療費助成制度の使用により、自己負担額の軽減を受けられる可能性があります。
審査には基準がありますが、基準を満たすと医療費助成制度が受けられ、自己負担額は2割負担となり、かつ、所得や患者さんの受けている治療内容に応じて、決まった月額の自己負担額を超える金額は支払わなくてよくなります。
申請を行う際には、まず主治医に相談し、必要な書類を確認する必要があります。
難病の医療費助成制度については、以下のユビー病気のQ&Aもご参照ください。
成人スティル病で死亡することはありますか?
予後は患者さんによってさまざまで、治療で落ち着く場合もあれば重篤な合併症が起こる場合もあります。
成人スティル病の予後は、患者さんによってさまざまです。適切な治療によって症状が落ち着くこともあれば、命に危険がおよぶ重篤な合併症が起こる場合もあります。
一般的には、約30%の患者さんは、病気が起こってもその後落ち着けば再発がないとされています。その他の患者さんは、治療を継続して症状が落ち着いた状態を維持することが重要と考えられます。
一方、頻度は高くありませんが、播種性血管内凝固やマクロファージ活性化症候群、血球貪食症候群といった命に関わる重篤な合併症が現れることがあり、10~15%程度でこれらの病気が合併することがあります。
予後について不安な点等がある場合には、主治医ともご相談ください。
成人スティル病について、医師からのよくある質問
医師からよくある質問はありますか?
「成人スティル病」について医師からよくある質問の例として次のようなものがあります。
- 体温は37.5℃以上ですか?
- 関節が痛みますか?
- リンパ節(首や脇の下、股の付け根、耳の後ろなどにあります)がはれて大きくなっていると感じますか?
- これまでに【扁桃炎を年に4回以上】繰り返していますか?
- うわあごは痛みますか?
成人スティル病に関連する病気・症状
この記事の監修医師
栗原 信吾 先生
北水会記念病院 整形外科
【経歴】 山形大学医学部卒業(2013年) 沖縄中部徳洲会病院(初期研修) 群馬大学整形外科 善衆会病院、堀江病院、まつだ整形外科 横浜市立大学大学院ヘルスデータサイエンスコース修士課程修了 北水会記念病院 整形外科(2026年-)
- 更新日
- 2026/10/27
- 公開日
- 2020/09/03